2019 Fiscal Year Research-status Report
認知症動態解明のための局所的類似度に基づく脳構造ネットワーク解析
Project/Area Number |
18K12025
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
舞草 伯秀 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 流動研究員 (80631069)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | MRI / Similarity Matrix / Graph analysis |
Outline of Annual Research Achievements |
アミロイド [11C-Pittsburgh Compound B (PiB)PET],およびtau(18F-THK5351) PETを撮像を受けた18人のアミロイドPET陽性早期AD患者および35人のアミロイド陰性の健常高齢者の3D T1強調MRIの撮像を行った。各被験者の3D T1強調MRI画像にSPMによるVBM解析を実施し、灰白質体積分布の局所類似度から単一の被験者の構造ネットワークとして抽出した。本研究では、類似度行列から局所の脳体積分布を持つパッチを小ノードとし、単一の被験者内で局所的類似度が高い接続領域を表すエッジで定義されました。相関行列は灰白質のの類似性に基づいて構築され、グラフ理論を用いて解析した。得られたグローバルネットワークプロパティ(正規化されたパス長:λ、正規化されたクラスター化係数:γ、およびSmall worldness:δ)をAD、健常群のグループ間で比較した。次に、各ローカルネットワークプロパティ(中心性、クラスタリング係数、平均パス長)を個人脳空間にマップし、グループ間のボクセルレベルによってAD、健常群間で比較しました。
早期AD群では、small worldnessは健常群に比べてよりランダムな形態を示した。 tauの集積に関連するローカルネットワークの変化は、グループ間で異なる結果を示した。健常コントロール群では、デフォルトモードネットワークにおいてローカルネットワークとタウ集積の間に正の相関を示した。一方早期ADではこれらの領域で負の相関を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、横断的な解析を行い、本手法の有用性を検証した。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度で実施した脳構造ネットワーク解析を縦断的な解析へ拡張するアルゴリズムを開 発する。まず各個人の位置ずれを補正する際のリサンプリングの回数を同一にするため、初回に取得された画像(V1)とフォローアップ画像(V2)から中間画像を作成し、V1とV2を中間画像に剛体Affine変換を用い位置合わせを行う。
同一座標系での脳ネットワークを実現するために、中間画像上にキューブ型のパッチを設定し、これを用いてV1とV2から縦断的な脳構造ネットワークの取得とグラフ解析を実施するアルゴリズムを開発する。
|
Causes of Carryover |
コロナウィルス感染防止のため、予定していた国内・国際学会や研究打ち合わせの大多数の中止があった。次年度以降、コロナウィルス収束後、学会への参加を集中して行う予定である。
|