2019 Fiscal Year Research-status Report
MR計測・シミュレーション融合による腫瘍内状態変化予測技術開発と治療戦略への応用
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18K12032
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
國領 大介 神戸大学, システム情報学研究科, 助教 (20508543)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MRI / 補正 / 領域抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気共鳴(Magnetic Resonance, MR)計測や組織染色画像から得られた腫瘍内多角的計測データと計算機シミュレーション技術を融合した腫瘍形状・状態変化の予測技術の開発し,放射線治療・温熱治療における治療効果予測に向け,本年度は前年度までの検討してきた多角的MR画像情報の解析・関連性の検討に加え,MR撮像法の改良・最適化,数理モデルの改良・シミュレーション環境の調整ならびに腫瘍内状態精度の検証の検討を開始した. 多角的MR画像情報の解析と関連性の検討ならびにMR撮像法の改良・最適化に関しては,前年度より課題であった信号ムラによる影響,特に3次元MR計測時における影響を取り除くために,磁場不均一補正手法であるN4 bias correctionを用いるとともに,画像内に設定したシード点を基に腫瘍領域を検出する領域拡張法を導入することで,前年度よりも抽出精度を向上させることが出来た.さらなる抽出精度向上のための手法も検討している.また,情報を低下させず高速に計測を行う高速MR撮像法の実現にむけ,圧縮センシングを用いた画像再構成法の検討を行い,計測領域を間引く割合の検討を行った.経時的変化を捉えるための数理モデルの改良に関しては,他の研究分野において用いられている数理モデルの調査を継続して実施するとともに,腫瘍モデル動物の腫瘍領域ならびに正常領域における形態の変化・拡散信号の変化を計測し,その変化を捉えることが出来る適切な数理モデルの検討ならびにシミュレーション環境の構築・調整を開始した.腫瘍内状態精度の検証に関しては,腫瘍移植してからの日数が異なる腫瘍モデル動物において拡散強調画像など形態画像以外の信号情報を比較し,その違いについての検証を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は前年度に引き続き,経時的な変化を捉え数理モデルの構築に向け腫瘍領域抽出精度の向上に向けた検討を実施し,3次元MR画像においても精度向上するなど一定の進捗を得られたと考えている.数理モデルの検討・改良,シミュレーション環境の調整に関しても継続的に進めている.一方,研究に取り組む中で新たな課題の発見並びに実験による検討不足も感じていることから,課題解決も含め,2020年度における研究開発に取り組む.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに取り組んできた多角的MR画像情報の解析・関連性の検討については,継続して腫瘍領域の抽出精度の向上を目指すとともに,拡散強調画像等形態画像以外の画像を用いた検討も継続して行う予定である.数理モデルの検討・改良並びにシミュレーション環境の調整に関しては,継続して実施するとともに,腫瘍変化を予測するための数理モデルを確立し,シミュレーション並びに実際の実験により検討を行う.
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Causes of Carryover |
2019年度に関しては,実験にかかる費用(動物購入費・薬品購入費),シミュレーション環境構築にかかる費用を中心に想定していたよりも必要な額が少なくなったため,次年度使用額が発生した. 2020年度に関しては,シミュレーション環境の改良に必要な機器・ソフトウェアの追加や実験を実施するために必要となる実験用動物・試薬の購入,研究打ち合わせならびに研究成果を発表するために必要となる旅費などに使用する予定である.
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