2020 Fiscal Year Research-status Report
MR計測・シミュレーション融合による腫瘍内状態変化予測技術開発と治療戦略への応用
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18K12032
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
國領 大介 神戸大学, システム情報学研究科, 助教 (20508543)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MRI / 領域抽出 / 特徴量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気共鳴(Magnetic Resonance, MR)計測や組織染色画像から得られた腫瘍内多角的計測データと計算機シミュレーション技術を融合した腫瘍形状・状態変化の予測技術の開発し,放射線治療・温熱治療における治療効果予測に向け,本年度は前年度までの検討項目のさらなる検討とともに,予後予測のための数理モデルに関する検討並びに治療効果の予測・検証に向けた検討を行った. 前年度までの検討項目である多角的MR画像情報の解析と関連性の検討ならびにMR撮像法の改良・最適化に関しては,磁場不均一補正した画像に対し,多目的最適化に基づく画像強調手法を用いた腫瘍領域抽出手法を提案するとともに,取得した腫瘍領域に対し予後予測に向けた特徴量解析を行った.多目的最適化手法に基づく画像強調手法を用いることにより,従来より検討していた手法に比べ安定して腫瘍領域の抽出が可能になることが示唆された.予後予測に向けた検討に関しては,先述した腫瘍領域抽出手法により取得した腫瘍領域に対し,形態を捉えるためのT2強調画像に加え,領域内の細胞密度の変化を捉えることができる拡散強調画像を使用した特徴量解析を実施し,腫瘍の進行度合いが異なる場合に相関がある画像特徴量を検出することができた.得られた結果より予後予測に用いる数理モデルの構築に有用な知見を得ることができた.また計算機シミュレーションを行うための環境構築とその予備的検討を続けて行うとともに,治療効果予測に向けた検討を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は前年度より実施してきた多角的MR画像情報の解析において,領域抽出精度を向上させる手法を開発するとともに,特徴量解析により腫瘍の予後予測のための重要な知見を得られたことから,一定の進捗が得られたと考えている.一方,新型コロナウイルス感染症の影響もあり,シミュレーション環境の構築ならびに治療効果予測を含めた新たな実験の実施が難かったこともあり,進捗にやや遅れが生じていると感じている.このことも踏まえ,研究期間の延長も行った.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに取り組んで得られた結果について成果としてまとめるとともに,シミュレーション環境の構築を継続するとともに,治療効果予測のための実験による検討を進め,腫瘍内状態予測技術の開発と治療戦略への応用を目指す.
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Causes of Carryover |
2020年度に関しては,新型コロナウイルス感染症の影響により,治療効果予測のための実験を実施することができず,そのための費用が発生しなかった.学会発表等は実施したが,すべてオンラインによる発表だったため,参加にかかる旅費が発生しなかった.そのため,想定していたよりも必要な費用が少なくなった.これらの状況を考慮し,研究期間を延長したことから,次年度使用額が生じた.2021年度はシミュレーション環境の構築・改良に必要となる機器やソフトウェアを追加するとともに,実験を実施するために必要となる実験用動物等の購入,実験・研究打ち合わせのための旅費,研究成果の発表費用などに使用する予定である.
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