2023 Fiscal Year Annual Research Report
The role of mechanosensitive TRPC6 channel in cell cycle progression of bone marrow mesenchymal stem cells
Project/Area Number |
18K12047
|
Research Institution | Sano Nihon University College |
Principal Investigator |
市川 純 佐野日本大学短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (70368207)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 骨髄間葉系幹細胞 / イオンチャネル / TRPC6 / 機械刺激 / 細胞周期 / 増殖 / 細胞骨格 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、再生医療分野で最も臨床応用が進んでいる骨髄間葉系幹細胞(bone marrow mesenchymal stem cell, BMSC)の細胞周期進行に、非電位依存性カチオンチャネルTRPC6の持つ機械刺激応答性が重要であることを明らかにした。この結果を応用し、機械刺激による効率的な増殖誘導条件を同定した。さらにこのメカニズムを支える機械刺激-細胞内シグナル変換メカニズムの解明を進めた。 これまでに、TRPC6チャネルが示す特殊な機械刺激応答性、すなわち受容体刺激と協働的に作用して応答を増幅させる性質がBMSCのM期進行に必要であること、細胞骨格の状態が影響を及ぼすこと、BMSCの増殖効率を高めるのに有効な受容体刺激および機械刺激の強度範囲が存在することがわかった。この刺激条件下で得られたBMSCは正常な分化能を示した。これらの結果から、培養環境に受容体刺激および機械刺激を取り入れることで、移植材料としてのBMSCを安全に効率良く回収出来る可能性が示された。 2023(令和5)年度はTRPC6チャネルを介した機械刺激の細胞内シグナル変換機構を探るため、BMSCの増殖・分化と関連が深いβ-cateninの核移行について検討した。その結果、受容体刺激と機械刺激の協働条件下でβ-cateninの核移行が最も高頻度で観察される傾向にあることがわかった。この現象はsiRNA実験によるTRPC6の発現抑制、およびTRPC6特異的阻害薬により抑制された。以上の成果を国際誌へ論文投稿準備中である。
|
Research Products
(4 results)