2021 Fiscal Year Research-status Report
SHG光計測による瞬時大変形した赤血球の膜損傷の可視化と損傷度の定量
Project/Area Number |
18K12055
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 高伸 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (00468852)
杉田 修啓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20532104)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 赤血球 / SHG / 損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,第二高調波発生光(SHG)顕微鏡を利用して,赤血球の内包物であるヘモグロビンが漏出するほど過大変形を起こした後の赤血球の膜損傷状態を可視化すると共に,損傷度を定量化する技術を開発することを目標としている。最終的には,赤血球の膜損傷度を反映する破壊力学的指標,膜損傷度,漏出ヘモグロビン量の3者の関係を明らかにするとともに,個々の赤血球変形解析に基づく溶血シミュレータの構築を目指すものである. 2021年度は,マイクロピペット吸引法によりリポソームの一部を吸引して,膜損傷を与え,機械的な刺激によってSHG輝度は低下するのかどうかについて検討した.これを検討するために,まず,三次元マイクロマニピュレータにピペットを取り付けた吸引装置を開発し,これを多光子励起レーザ走査型顕微鏡に取り付けることで,ピペット吸引中のリポソームのSHG光を計測できるようにした.マイクロピペットによってリポソーム膜の一部を吸引後,放置し,その後,圧力を調整して,吐き出した.吸引を行った箇所のSHG輝度が局所的に低下することを予想していたが,吸引中にも,吸引後にもそのような様子は見られず,吸引の前後でSHG輝度値の変化は見られなかった.吸引圧力を色々と変更して実験を行ったが,マイクロピペット吸引を一回行ったぐらいでは,たとえ,局所的には大変形しているように見えたとしても,この程度の変形では膜の分子構造は変化しないことが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度のコロナの問題があり、全体的に計画が遅れている。また、今年度はSHG光を観察するための顕微鏡が途中で壊れたということもあり、実験が想定通りには進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロピペット吸引で1回行ったぐらいでは,SHG光で視認できるほどの膜損傷を与えられないことがわかったので,より多くの回数膜に負荷を与えられるよう,繰り返し変形を加えることを考えている.具体的にはマイクロ流路に狭小部を設け,そこを往復させることで疲労負荷を与えることを目論んでいる.
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Causes of Carryover |
2020年度のコロナ禍により研究があまりできない時期があったため、全体的に研究が遅れていることと、2021年半ばにSHG光観察用の顕微鏡が故障してしまったため、実験が計画通りにはできなかったため。
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Research Products
(2 results)