2022 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization and quantification of cell membrane damages based on the measurement of second harmonic generation light
Project/Area Number |
18K12055
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 高伸 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (00468852)
杉田 修啓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20532104)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞膜 / 赤血球 / SHG / 損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,第二高調波発生光(SHG)顕微鏡を利用して,過大変形を起こした後の赤血球の膜損傷状態を可視化すると共に,その損傷度を定量化する技術を開発することを目標としている。この結果をもとに、最終的には流動する赤血球の変形から膜の損傷度を予測し、個々の赤血球変形に基づく溶血シミュレータの構築を目指すものである. 電気穿孔法により赤血球を模したリポソームを損傷を与えたところ、SHG光が低下することを確認した。また、その際に与える電気パルスの周波数を変えたところ、周波数を小さくするほど(電気刺激の間隔が広がるほど)、SHG光の低下が抑えらえることがわかった。これは、細胞膜には自己修復性があり、電気刺激の間隔を広げたことにより、その間に自己修復したためにSHG光の低下が生じなかったと考えた。 電気穿孔法では電気により膜損傷を与えたので、機械的刺激により損傷を与えるためにマイクロピペット吸引法によりリポソームの一部を吸引して、これによってSHG輝度は低下するのかどうかについて検討した.マイクロピペットによってリポソーム膜の一部を吸引後,放置し,吐き出した.吸引を行った箇所のSHG輝度が局所的に低下することを予想していたが,吸引中にも,吸引後にもそのような様子は見られず,吸引の前後でSHG輝度値の変化は見られなかった.吸引圧力を色々と変更して実験を行ったが,マイクロピペット吸引を一回行ったぐらいでは,たとえ,局所的には大変形しているように見えたとしても,この程度の変形では膜の分子構造は変化しないことが示唆された. 以上、本研究により、SHG光観察によって膜損傷を可視化する技術の確立には成功したが、一時的な機械的刺激ではSHG光が低下するほどの損傷は生じず、繰り返し刺激を与えた実験が必要であることが示唆された。
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