2019 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍新生血管オープニングよる革新的がん治療法の開発
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18K12060
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| Research Institution | Tottori University |
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Principal Investigator |
大崎 智弘 鳥取大学, 農学部, 准教授 (40431332)
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2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | バブルリポソーム / 腫瘍新生血管オープニング / 超音波 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】本研究では、新規バブルリポソーム（BL）と超音波（US）を用いて腫瘍新生血管（TNV）をオープニングしてEPR効果を亢進させ、同時に投与した低用量抗がん剤の抗腫瘍効果を増強させるという、新規がん治療法の開発を目的とする。2019年度には、抗がん剤としてリポソーム化ドキソルビシン（Doxil）を用い、担がんマウスにおいてBLとUS照射による抗がん剤の腫瘍組織内への移行量の増加および抗腫瘍効果の増強を試みた。
【具体的内容】1. BLとUSによる抗がん剤の移行量の増加［方法］担がんマウスの尾静脈からDoxil単独、あるいはDoxil・BL混合液を投与した。直後に超音波治療器を用いて、腫瘍組織に1 MHzのUSを1分間照射した。US照射1時間後に摘出した腫瘍組織をホモジナイズし、上清の蛍光強度を測定した。［結果および考察］Doxil単独投与群と比較して、Doxil・BL混合液 + US群では腫瘍組織内のDoxil重量は有意に上昇した。この結果から、BLとUSの併用によりDoxilの腫瘍組織内への移行が増加することが示唆された。2. BLとUSによる抗がん剤の抗腫瘍効果の増強［方法］担がんマウスの尾静脈からDoxil単独、あるいはDoxil・BL混合液を投与した。直後に上記と同様にUS照射を実施した。この処置はday 0、2、4に計3回実施された。腫瘍径と体重はday 28まで隔日測定した。また、day 8において腫瘍組織を採材し、病理組織学的評価を行った。［結果および考察］腫瘍体積増大はDoxil・BL混合液 + US群において最も抑制された。組織学的観察では同群において腫瘍組織の壊死範囲およびアポトーシス細胞の増加が最も大きかった。以上より、BLとUSの併用によりTNVがオープニングしてDoxilの腫瘍組織内への移行が増加し、抗腫瘍効果が増強されたことが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度および2019年度の研究において、バブルリポソーム（BL）と超音波（US）の併用により腫瘍新生血管のオープニングが生じ、高分子物質の腫瘍内移行が増加すること、およびリポソーム化抗がん剤の抗腫瘍効果が増強されることをin vivoで実証した。また、腫瘍罹患犬に対するBL、USおよび抗がん剤を用いた新規がん治療の臨床試験も並行して開始しており、ほぼ計画通りの進行と言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
2020年度には、担がんマウスモデルにおいては腫瘍新生血管オープニングの定性的評価による解析を行う。また、腫瘍罹患犬に対するバブルリポソーム、超音波および抗がん剤を用いた新規がん治療の臨床試験を完了し、結果を解析することでその有用性を検討する。
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Research Products
(1 results)
