2019 Fiscal Year Research-status Report
Raman spectroscopic study of cancer metastasis and diagnosis.
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18K12063
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
古賀 繁宏 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (30625950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 佑介 大分大学, 医学部, 客員研究員 (10586639)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ラマン 分光 / がん / 転移 / がん治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がんの微小環境の実態を明らかにし、光イメージング技術を基盤とする個別化医療(オーダーメイド医療)実現のため、今までにないアプローチによる新規バイオマーカーの探索を行うことを目的としている。光イメージング技術の中でも特にラマン分光分析は非侵襲的に生体組織の分子組成を解析することができる点において、臨床応用が期待されている。これまでに、実験動物を用いたがん転移モデルとして、ヒトがん細胞を移植した免疫不全マウスの解析を行い、がん転移巣と原発巣におけるがん細胞とその周辺環境を詳細に分析した結果、ラマンスペクトル上で原発巣と転移巣において細胞外基質の分子組成に明らかな差を認めた。さらに、第二次高調波発生によるコラーゲンの無染色イメージとラマンスペクトルデータに相関性を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに、生体組織のラマンスペクトル解析のために最適化された顕微ラマン分光システムを用いてがん転移モデルの解析に成功しており、本年度は、手術症例で得られたヒト検体を用いた解析に着手することができたので、当初計画通りの研究進展が見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
外科手術において得られるヒト検体を用いた解析を行い、ラマンスペクトル上での変化、すなわち新規バイオマーカーの挙動と予後が相関するかどうか明らかにする。ヒト検体を用いた原発がんおよびがん転移巣で評価を行い、がん細胞の動態やがん微小環境に加えて、抗がん剤による治療効果の評価など、ラマン分光分析によって得られた新規バイオマーカーを用いた新たな治療戦略へつながる知見を獲得する。また、バイオマーカー探索のためのモデル動物およびヒト検体の網羅的な解析に加えて、培養条件下でのがん細胞の動態解析、すなわち転移や浸潤の過程を追跡できる計測システムの開発を行う。
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Causes of Carryover |
既存の顕微ラマン分光装置を用いたヒト検体の計測が順調に進んだため、試薬・消耗品等を節約することができた。したがって、次年度の培養実験のための試薬・消耗品費として使用する。
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Research Products
(2 results)