2020 Fiscal Year Research-status Report
Novel pharmacokinetic analysis for PET molecular imaging based on neural network approach
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18K12073
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
越野 一博 北海道情報大学, 経営情報学部, 准教授 (90393206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 祥之 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (00423129)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ニューラルネットワーク / ノイズ除去 / PETイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ニューラルネットワークを持つ機械学習を用いて、PET(陽電子断層撮影)・時空間4次元データに対する新たな薬物動態解析法を構築することである。薬物動態解析の目的は、定量的画像診断を行うことにある。着目する病態観察に適した放射性薬剤を被検者に投与し、生体由来信号(体内での放射能濃度の空間的・時間的分布)から、非侵襲的に病態を定量する手法である。 PET画像には、放射性同位元素の崩壊に起因する統計ノイズが含まれる。これが、PET画像における誤差の本質的な原因であり、特に投与放射能量が低いときにその影響は支配的になる。ノイズを除去し、正確なPET画像を提供することは画像診断精度の向上に貢献する。 令和2年度に予定していた主な研究項目は、1) 2つの時系列データ(動脈血中および組織に関する時間放射能濃度曲線)を入力として薬物動態パラメータを推定するニューラルネットワークの構築、2) 既存推定手法との比較による性能評価、であった。項目1)の成果は、ニューラルネットワークを用いての薬物動態解析は可能か、という問いに対する答えとなる。項目2)の成果は、パラメータの推定精度において、数理統計学に基づく既存推定手法と比較して、ニューラルネットワークに基づく手法には、「学習」というコストを払うだけの優位性があるのか、という問いに対する答えとなるものである。しかしながら、「現在までの進捗状況」に記載した事由により遅れが生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
申請者は大学教員として勤務している。新型コロナウイルスの感染防止のため、大学での授業が遠隔授業主体となった。それに対応するべく授業資料の準備に多大な時間を要した。そのため、令和2年度の研究計画について遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度に予定していた以下の2点を重点的に遂行する。 1) 画像診断に重要な指標である薬物動態パラメータ推定のためのニューラルネットワークの性能評価を行う。同一投与放射能量の条件下で、薬物動態パラメータの推定精度を既存解析手法と比較する。 2) 内部被ばく量を指標とする本手法の性能評価を行う。既存解析法と本手法による 推定精度が同等になる投与放射能量を定める。投与放射能量を内部被ばく線量へ換算し、放射線防護の観点からも本手法の有用性を示す。 補助事業延長申請が承認されたため、令和3年度に進捗の遅れを取り戻し、研究を完了する。
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Causes of Carryover |
「現在までの進捗状況」で記載した理由により、研究計画の遅れが生じた。それに伴い、支出予定が変更となったことが、次年度使用額が生じた理由である。補助事業延長期間にて、研究に必要な計算機の性能増強のための物品購入、学会での発表用旅費及び論文投稿のための英文校正に助成金を使用する予定である。
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