2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of bioactive bone cement applicable for the cases with osteoporosis and periprosthetic infection
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18K12076
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 公志 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00437229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河井 利之 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80806828)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生体活性骨セメント / 酸化チタン / 人工関節置換術 / 骨粗鬆症 / インプラント周囲感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
24匹の日本白色家兎の膝関節内大腿骨顆部に酸化チタン含有生体活性骨セメント(オセジョイン)と市販のPMMA骨セメントを埋入し、6週、12週、26週で屠殺して、荷重環境下におけるオセジョインと骨との固着性についてaffinity indexを用いて評価を行った。市販のPMMA骨セメントと比較して、オセジョインのaffinity indexは12週、26週の標本で有意に高いことを証明した。 さらに、12匹の日本白色家兎を卵巣摘出群(OVX群)、卵巣摘出後にメチルプレドニゾロンを8週間1mg/kg/dayの量を筋肉注射した群(OVX+MP群)、施術を加えなかった群(Sham群)に分け、それぞれの群に全身麻酔の下で硬化させた骨セメントの円柱体を市販のPMMA骨セメントとオセジョインをそれぞれ片側の大腿骨外側にドリリングして作成した4カ所の穴に埋植する実験を行った。それぞれ6週で屠殺し、μCTを用いて大腿骨遠位の骨密度の評価を行い、骨セメントと骨との接着強度をpush-out testを用いて評価した。骨密度については、6週でOVX+MP群で他の2群と比較して有意な骨密度の低下を認めた。Push-out testでのinterfacial shear strength valueはオセジョインで有意に高かった。以上の結果から、人工膝関節置換術の固定用セメントとしてオセジョインは有用で、特に骨粗鬆症を有する症例でその生体活性で有利に働く可能性が示唆された。以上の結果をまとめて雑誌Materialsに投稿し、論文が掲載された。オセジョインを抗菌薬徐放スペーサーとして用いた場合の人工関節周囲感染に対する有用性を評価する為に、ラットの脛骨結節側からK-wireを用いて脛骨髄腔にリーミングを行い、黄色ブドウ球菌を髄腔内に注入して骨セメントを埋入し、3日後に屠殺してインプラント抽出液でのコロニー形成を確認する実験を行ったが、再現性のある結果が得られず、この実験については有意な結果を示すことが出来なかった。
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