2018 Fiscal Year Research-status Report
Mechanical stimulation for maintaing and controlling hepatic structure and its physiological function
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18K12084
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
秋山 義勝 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20349640)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PDMS / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 温度応答性細胞培養表面 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はPIPAAm-PDMS表面で繰り返し伸展・収縮培養が可能な培養条件の探索することを目的に実験を行った。最初に固定化した高分子量の異なるPIPPAm-PDMSを作製し、温度および伸展刺激を付与した時の細胞接着性、剥離性と細胞外マトリックスの1種であるフィブロネクチン(FN)の吸着量について評価を行った。その際、固定化した高分子量が12ug/cm2付近のPIPAAm-PDMS (Lar-PI-PDMS)と8ug/cm2付近のPIPAAm-PDMS (Lo-PI-PDMS)の固定化量の異なる2種類のサンプルを作製した。作製した表面にウシ血管内皮細胞を播種した所、作製した伸展刺激を負荷に関わらず、Lar-PI-PDMS、Low-PI-PDMSは細胞接着性を示した。しかし、細胞接着後に繰り返し伸展・刺激を基材に負荷させた所、接着した細胞が剥離することを確認した。これらの結果を基に、FNでLar-PI-PDMS、Low-PI-PDMS表面を処理した所、Low-PI-PDMS表面において繰り返し伸展・収縮刺激負荷条件下でも接着した細胞(NIH-3T3)が剥離しないことを確認した。その際、初期の細胞播種密度の違いが繰り返し伸展・収縮刺激による接着細胞の配向性に大きな影響を与えることを見出した。具体的には、コンフルエント濃度で細胞を播種した時には細胞は配向しないが、10,000cells/cm2のオーダーで細胞を播種し、繰り返し伸展・収縮培養を行う細胞が配向することを見出した。これらの結果から、高分子固定化量、表面のFN処理条件、細胞播種密度を最適化することで、繰り返し伸展・収縮培養に耐えられる表面および細胞培養の条件を最適化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、繰り返し伸展・収縮に最適な細胞培養条件の探索を行い、最適化に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度得られた知見を基に、伸展・刺激環境下で培養した細胞から細胞シートの回収を実践する。引き続きモデル細胞としてNIH3T3やウシ血管内皮細胞で評価を行い、その後、肝星細胞を利用する。肝星細胞を用いる場合、連続的な繰り返し伸展収縮培養環境下で肝星細胞の生理的な機能がどのように変化するかを生化学的な観点から評価する。具体的にはレチノイン酸レセプター量、α型平滑筋アクチンの発現の有無、分泌ECMの増加、TGF-βの分泌、TIMPやMMP等の発現の有無やその発現量をタンパク質、遺伝子レベルで比較する。繰り返し伸展収縮刺激を付与する際、類洞血管内皮細胞が血流から受けるずり応力や圧をシミュレーションあるいは実測した値を利用し、生体内環境条件を模倣した力学的刺激環境場を構築する。その際、血流のずり応力を模倣するためにマイクロ流路を利用することも視野に入れる。肝星細胞はラットから採取する、あるいは市販の肝星細胞を購入して使用する。肝星細胞で得られた技術を応用し、力学刺激環境下での類洞内皮細胞との共培養も検討する。
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Causes of Carryover |
当初、購入を予定していた試薬の納期が年度内に間に合わなかったため、その購入分の費用の使用ができなかった。研究進捗には影響はない。
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Research Products
(3 results)