2020 Fiscal Year Annual Research Report
Accurate quantitative evaluation of bone construction by non-contact QUS using airborne ultrasound passed through a tissue
Project/Area Number |
18K12100
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平田 慎之介 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (80550970)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 空中超音波 / 非接触計測 / 音波伝搬速度 / 減衰周波数特性 / QUS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,踵内の音波伝搬速度(SOS),減衰周波数特性(BUA)などを非接触で計測するシステムの実現を目的として,踵を透過した空中超音波を検出,評価する手法について検討を行っている.2020年度は,踵内軟部組織(踵骨を除く領域)の音響特性を模擬して作成されたOST社製 WRTMMファントムを用いて,提案している非接触音響特性計測システムの精度評価を行った.これまでに検討を行ってきたSOSの決定方法,ファントム側面傾斜や空気中及びファントム中伝搬経路の計測方法,ファントム内温度補正方法を活用し,超音波振動子とファントムを接触させた状態で行う従来手法と非接触で行う提案手法の精度比較を行った.設定されたSOS 1520~1540 m/sに対して,従来手法では約20±2 m/s,提案手法では約20±6 m/sの精度が得られた.結果に生じたオフセット誤差の要因について考察したところ,伝搬経路計測の誤差であった場合は約0.2 mm,計算過程で使用する空気中のSOSの誤差であった場合は約1 m/sに相当し,現状の計測システムにおいては,これ以上の計測精度を得ることは困難であることがわかった.SOSの計測精度を向上させるには,ファントムの幅や空気中の音速を直接計測しない方法を検討する必要がある.また,QUSに関しては,設定された0.94 dB/cm/MHzに対して,従来手法,提案手法ともに1.14~1.39 dB/cm/MHzと比較的大きな誤差が生じた.これはBUAを算出する周波数帯域が狭く,スペクトルの平滑化などが十分に行えなかったためと考えられる.そのため,より周波数帯域の広い振動子を用いることで計測精度を向上させることが期待できる.
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