2018 Fiscal Year Research-status Report
バーチャルリアリティー機能を搭載した関節鏡ナビゲーションシステムの開発と臨床応用
Project/Area Number |
18K12104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡 久仁洋 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50724085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 啓之 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00432542)
岡田 潔 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授 (40576279)
村瀬 剛 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50335361)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナビゲーション / 関節鏡 / 手術シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
術前手術シミュレーションとナビゲーションシステムを用いた肘関節鏡手術の実現のために、これまで我々が独自に開発した、病変を3次元的に描出することができる術前シミュレーションを既存のナビゲーションシステムに入力するシステムを構築した。さらに、手術で操作ができる領域が限られる肘関節において、ナビゲーションシステムの位置確認のための精度を検証し、1mm、1°の精度が得られることを確認した。これらの成果をまとめた英文論文を学術誌に投稿中である。H30年度は、さらに手術シミュレーションで算出した病変部位を、ナビゲーションを用いて実際に切除し、その精度を評価するためのシステム構築を行った。術前シミュレーション画像をリアルタイムでナビゲーションシステムに表示することにより、術前計画通りに手術が遂行できうるシステムが構築された。精度検証を行うために変形性肘関節症患者のCTデータから3次元コンピューターモデルを作成し、3Dプリンターを用いて実物大の石膏モデルを作成した。この石膏モデルを用いて模擬手術を行い、外観上は予定通りの手術を施行することができた。今後、3D-CT、スキャナーを用いた定量的な精度の評価を行う予定である。また、複数の術者が模擬手術を行い、検者間誤差も評価する要諦である。 3次元骨モデルのデータベース構築に関しては、一定のデータがそろったため、近年急速に開発が進んでいるAI機能の開発を進めている。具体的には2次元のX線データのみから3次元のコンピューター骨モデルを構築するシステムの開発を行った。3次元骨モデルの精度は橈骨で1mm未満、尺骨で1.5mm未満であった。今後さらにプログラムを改良し、精度を向上させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナビゲーションを用いた肘関節鏡手術は、屍体標本を用いて行う予定であったが、変形性肘関節症を罹患している入手可能な死体標本がなかったこと、ホルマリン固定のため肘関節鏡を用いた模擬手術には不向きであったことを考慮し、石膏モデルでの模擬手術を行うこととした。石膏モデルは、実際の変形性肘関節症のCTデータから3次元コンピューターモデルを作成し、3Dプリンターを用いて作成した。この石膏モデルを用いて模擬手術を行い、本システムの精度確認を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに実際の肘関節鏡手術と近い条件で模擬手術を行うために、樹脂で作成した模擬軟部組織にて肘関節を被覆し、関節鏡の映像とナビゲーションの映像のみで模擬手術を行い、病変部位の正確性を定量的に評価する予定である。これらの模擬手術の精度評価を行い、良好であることが確認されたのちに、臨床試験を行い、手術成績と安全性の評価を行う予定である。 3次元骨モデルのデータベース構築に関しては、2次元情報から再構築された3次元骨モデルの精度を評価することと、肘関節、上腕骨にも適応できるプログラムの開発を進める予定である。
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Causes of Carryover |
予定額より節約ができたため。
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Research Products
(2 results)