2019 Fiscal Year Research-status Report
バーチャルリアリティー機能を搭載した関節鏡ナビゲーションシステムの開発と臨床応用
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18K12104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡 久仁洋 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50724085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 啓之 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (00432542)
岡田 潔 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授 (40576279)
村瀬 剛 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50335361)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナビゲーション / 関節鏡 / 手術シュミレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
術前手術シミュレーションとナビゲーションシステムを用いた肘関節鏡手術の実現のために、病変を3次元的に描出することができる術前シミュレーションを既存のナビゲーションシステムに入力するシステムを構築した。肘関節鏡手術におけるナビゲーションシステムの位置確認のための精度検証の結果、1mm、1°未満の精度が得られることを確認した。これらの成果は英文学術誌に受理された(Shigi A. Oka K. et al. J Shoulder Elbow Surg. 28(12):2400-2408, 2019)。H31年度は、本システムを用いた実際の手術の精度を検証するために、術前シミュレーションで上腕骨に直径4mmの球状の掘削予定箇所を5か所設定し、石膏骨モデルを用いて模擬手術を行った。模擬手術には実際の手術で使用する関節鏡、ナビゲーションシステムを導入し、石膏モデルには代替軟部組織を被覆することにより臨床に近い状態を再現した手術シミュレーターを構築して用いた。初回の3体で精度誤差が2mm以上であったため、検証を行った結果、直径4mmの球状バー全体で実際には切削を行うが、球状の切削バーの先端がナビゲーションに認識されるため、誤差が生じていることが判明した。この誤差を補正するために、切削バーより2mm短い金属ロッドを用いてナビゲーションに認識させることにより切削バー中心をナビゲーションモニターに表示させることとした。切削後のCTデータからそれぞれの掘削箇所の近似球中心を計算し、予め設定した掘削予定箇所の中心との中心間誤差を計測し、手術精度の検証を行った。10肢に施行し、中心間誤差で平均1.23±0.16mmの精度を得た。これらの結果は第32回日本肘関節学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手術シミュレーターの構築により、実際の肘関節鏡手術と近い条件で模擬手術を行うことができた。ナビゲーションの位置計算方法、セッティング方法を改良することにより初期段階ではあるが、模擬手術において高精度の病変切除が確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、研究分担者2名による模擬手術を施行中であり、最終的には合計30肢を目標に精度実験を行う予定である。さらに、実際の変形性肘関節症の石膏モデルを用いて、手術シミュレーションで算出した病変部位を、関節鏡、ナビゲーションを用いて実際に切除し、切除量の体積評価を術者1人あたり10肢、術者3人で合計30肢行う。検者間誤差を評価することにより、本システムの標準的な治療効果を評価する予定である。これらの基礎実験で精度が確認されたのち、臨床応用のため倫理委員会の承認を受け、臨床試験を開始し、手術成績と安全性の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
予定額より節約できたため
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Research Products
(2 results)