2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new clustering technique for biological component analyses
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18K12112
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 正一 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (90803255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 清志 山口大学, 大学院医学系研究科, 学術研究員(寄附金) (10144495)
山下 哲平 滋慶医療科学大学, 医療管理学研究科, 講師 (50617420)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クロマトグラフィー / フローサイトメトリー法 / フィッティング関数 / スキャッタグラム / クラスター解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
分離分析データのシミュレーションによる高精度な定量分析プログラム開発の概要 分離分析では、複数の成分の重なりが常に問題となることから、これまで、高圧液体クロマトグラム(HPLC)における分離データの重なりについて、単純な谷値を用いた定量分析ではなく、クロマトグラム分布型についてフィッティング関数を追求したところ、Cox-Box法による変数変換実施後に分布型検出を行う事で適切な分布関数が得られることを発見し、また、その分布が正規分布ではなくt-分布である事を明らかにした。本研究の成果について2020年に日本臨床検査医学会学術集会にて発表した。 2021年においては、HPLCの分布型検出技術を用いて、2次元データである白血球分類で使用するフローサイトメトリー(FC)に適応した。FCの結果として表示されるスキャッタグラムから白血球中の好中球についてのその分布型について検討したところ、HPLCと同様、Box-Cox法による変数変換実施後t-分布になることを確認した。また、白血球のスキャッタグラムは採血後の経過時間の影響で検査結果が変動することや感染時に細菌などから産生される物質によって形態変化が起こる問題があるため、人工的に形態変化を起こして分布型への影響について調査を行った。 本研究内容の一部を「次元圧縮とクラスター解析による可視化と臨床応用.臨床化学 2022;51(1):12-20.」、「EBLM(evidence based laboratory medicine)の新展開クラスター分析の臨床検査への応用.臨床検査 2020;64(5):600-608.」および「臨床検査におけるAIの概略-AIが臨床検査でできること.日本臨床検査医学会誌 2021;69(5):344-348.」に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度には、HPLCを用いた重なり合う成分について正規分布を仮定した重合した1次元分析プログラムを開発し、谷値法では成分量が大きく異なる場合には大きな誤差が生ずることを証明した。しかし、実際のクロマトグラムが考案した正規分布を仮定としたプログラムでは最適な分析性能を得るのが困難である事から、Box-Cox関数によるフィッティング性能を評価するプログラム作成が2019年まで伸びるなど時間を要した。 2020年度には本来であれば2次元データの重なりのあるデータとして、フローサイトメトリー法を利用した白血球分画についてデータ収集を行い、この中で発生する混合分布に対しての検討を行う予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、臨床検査データの収集を行うことができなかったため検討が遅れた。 2021年には少数例ではあるが、データ解析を行うことができ分布型の特定まで至っている。また現在、臨床データの収集作業も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
一次元のクロマトグラフィーのデータや二次元のフローサイトメトリー法のスキャッタグラムで、Box-Cox法による変数変換を利用してデータ分布を特定することが明らかになった。このことから、スキャッタグラムではその中心位置およびバラツキの大きさデータ収集を実施する。特に炎症時に好中球が増加するが、このときには混合分布が状態になることが分かっているので、混合状態の分布について明確に切り分けを行うプログラム作成作業を行っていく方針である。 さらに、白血球中の好中球ばかりではなく、リンパ球、単球、好酸球および好塩基球などについての分布型の特定について検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
第1の理由は、新型コロナ感染症拡大の影響により病院からのデータ収集ができなかったためである。最終的な課題として考えているフローサイトメトリー法を利用した白血球分画では、新鮮な血液データでなければならず、コロナ禍での院内訪問を避けたために研究ができなかったことが挙げられる。2番目に、研究の進行が遅れたために論文作成費用が発生しなかったこと、3番目に海外での研究発表を計画していたが、これもコロナの影響により海外での学会発表に行く機会が得られず渡航費が発生しなかったことなどが原因である。 最終年度は、昨年末に収集した大量のスキャッタグラムデータについて膨大な数のデータ処理を人工知能(機械学習)を使って行う必要から、最新のグラフィックボードを備えたコンピュータの導入と学習結果を学会発表するための高性能ノート型コンピュータの購入が必要である。また、白血球の反応性実験の継続と研究成果を海外紙に投稿するための費用として使用する計画である
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