2020 Fiscal Year Research-status Report
粒子線治療リアルタイムビームモニタ手法における定量的減弱補正手法の実証
Project/Area Number |
18K12124
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
山口 充孝 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主幹研究員(定常) (10375404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 富裕 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (70370385)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 粒子線がん治療 / ビームイメージング / 制動輻射 / 減弱補正 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に製作したエネルギースペクトルの計測が可能なX線カメラを用いて二次電子制動輻射計測によるがん治療用粒子線ビームイメージング実験を、群馬大学重粒子線医学研究センターにて実施した。290 MeV/uのエネルギーを持つ炭素イオン線を、照射台に設置した水標的に入射し、炭素イオン線の進行方向に対し90度の方向に放出される二次電子イオン線を、標的から70 cm 離れた位置に設置したX線カメラで測定することでビームイメージの取得を試みた。レンジシフターの厚さを変更しながら、7.5×10^10個のイオンの照射についてのイメージングを3回程度試みたが、正常なビーム軌跡を表す画像が取得出来なかった。二次電子制動輻射成分がバックグラウンド成分に埋もれている可能性があり、現在、モンテカルロシミュレーションによりその原因を調査している。 また、重粒子線照射環境下で本装置が正常に動作しない事も想定し、エネルギースペクトルの取得のみ可能な単素子の検出器(CdTe検出器)を用いた二次電子制動輻射エネルギースペクトルの計測実験を、上記の実験と別個に実施した。CdTe検出器はX線カメラと同様に標的から70 cmの距離に配置し、7.5×10^10個のイオンの照射について、標的側面厚さを変更しながら3回の計測を行った結果、モンテカルロシミュレーションによる理論計算結果と同等の側面厚依存性が得られ、二次電子制動輻射計測による減弱補正法の実用可能性を示唆する実測結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二次電子制動輻射計測による減弱補正法の実用可能性を示す実測結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
X線カメラ実験が失敗した原因の究明を行った後、再実験を行い、減弱補正が正常に機能するか評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
実験の実施に若干遅れが生じ、実験に必要な消耗品の購入が次年度に延期されたため。次年度に当該消耗品を購入する予定。
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