2020 Fiscal Year Research-status Report
医療従事者や介助者に資する多機能型水晶体被曝防護機器の開発
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18K12127
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
常陸 真 東北大学, 大学病院, 助教 (50400362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 洋平 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (70704667)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 水晶体被曝 / 放射線計測 / 水晶体防護 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線従事者が個人線量計を使用している人数は約50万人。内、現行法令の水晶体被曝線量限度 (150 mSv/year) を超えているのは約10人たらずである。しかし、2011年に国際放射線防護委員会 (ICRP) は、水晶体線量限度を約1/8に引き下げる勧告 (20 mSv/year) をしたため、放射線従事者が放射線白内障になる危険性が危惧されており、可及的速やかな対応が国際的な課題となっている。この新勧告に当てはめると、我が国の平成26年度の実績から約2500人が該当する。ゆえに現行の線量限度に比べ250倍の人が線量限度超過の可能性があり、可及的速やかな対応と備えが今後の法改正に向けて必要であるが、移動性と多様性に優れた適切な水晶体防護機器が存在しないのが現状である。本研究では、放射線従事者および介助者まで対応可能なさまざまな放射線検査に資する水晶体被曝防護機器の開発を試みる。 2018年度は、放射線検査(特にCT透視下インターベンション)時の平面および高さ双方の空間散乱線量分布の測定を行い、3次元的な基礎データを得た。2019度は、実際に線量計測する線量計の配置位置を検討し、防護眼鏡の外側で十分に計測できることを明らかにした(Ishii. H, Radiat Prot Dosimetry. 2019)。また、CT透視下インターベンション時の医師、看護師の放射線被曝測定を実施した (Inaba. Y, Diagnostics 2021 in press) 。さらに放射線被曝防護機器のプロトタイプ作成を行った。2020年度は、作成したプロトタイプ防護機器を臨床に展開し、放射線被曝防護効果が約65%あることを検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスにて今年度計画していた放射線被曝防護機器(プロトタイプ)の臨床展開があまり出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度(延長申請)は、新型コロナウィルスにて遅れていた臨床での水晶体防護機器の実践を行い、最適な防護効果が得られるように検証する。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナウィルスにて物件費および旅費の使用が極端に少なかったため最終年度に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)