2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of linac output dose data collection, analysis and management system in radiotherapy facility.
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18K12135
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
川村 慎二 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10543291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 修一 広島大学, 医系科学研究科(医), 特任准教授 (20360521)
田辺 悦章 山口大学, 医学部附属病院, 副診療放射・エックス線技師長 (20716237)
峯村 俊行 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 研究員 (80523464)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地域連携支援 / 出力線量相違 / 第三者評価 / 遠隔支援システム / パイロットスタディ / 放射線治療品質管理 / 放射線治療品質管理機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
【活動概要】 2019年度、放射線治療品質管理機構の地域連携支援事業では、2回のパイロットスタディを実施した。1回目は、2019年9月28日(土)、29日(日)に名古屋大学病院で東海地区パイロットスタディを実施した。東海地区品質管理担当者を中心に26名が参加した。リニアック装置出力線量相違を-3.2%に設定して、治療計画装置のエラー原因を想定した。このパイロットスタディによって、測定項目の見直しやマニュアルの改善が図られた。また、東海地区における、地域ネットワーク(協力体制)の構築することができた。遠隔支援におけるネットワークトラブルが発生したことや施設使用の測定機器の確認が必要なことなど課題も提示された。 2回目は、2019年11月16日(土)、17日(日)に奈良県立医大病院において関西地区パイロットスタディを実施した。ここでは、関西地区品質管理担当者を中心に22名が参加した。リニアック装置のエネルギー6MVが+4.3%の乖離があることを想定した。地区ごとに地理的環境の問題や連携の取れていない施設があることなどの報告があった。支援する施設担当者や支援者側のリソースを考えた支援システムが要望された。関西地区における府県内や間の連携ネットワークが構築された。 【取り組みと成果】 本研究における遠隔支援システムは、放射線治療の吸収線量標準計測法12に基づく自動的な測定が可能で、人為的な誤りが発生しないこと.遠隔地にいる支援者から地区支援者をサポートができること.さらに,セキュリティを担保してデータを一括管理し、記録・保存・報告書作成まで自動化できることなどが特長である。これまでのパイロットスタディで実際に活用され、随時改良が図られてきた。次年度は、COVID-19の影響で遠隔支援システムへの期待はさらに高まると考えられるため、さらに改善を図る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射線治療品質管理機構では、2017年1月に「地域連携支援ワーキンググループ」(現:地域連携支援委員会)を設置し、国内各地域の放射線治療品質管理士の相互協力による品質管理の推進についての検討を開始した。 地域連携支援活動の目標を実現する具体的な方策として2018年1月から全国を9地区ブロックに分けて、各地区における地域連携支援パイロットスタディを実施しいている。 このパイロットスタディの目的は以下に示すとおりである。 1)地域連携を推進する上で、地域ごとの問題点や課題を検討する機会を設ける。 2)線量測定のQA・QCの脆弱な施設に対する具体的な支援策の検討、線量測定に関するマニュアルの整備、支援に必要なリソースについての調査を行う。 3) パイロットスタディの情報を継続的に収集することで、機構の地域連携支援の在り方を検討する。 本研究は、この事業に沿って、地域連携支援による出力線量測定プロトコルの共通認識と測定手順書やチェックシートなど、統一した支援実施管理システムの作成。また、訪問支援を実施する際に、収集された測定データや治療計画データ確認をリアルタイムに遠隔地の品質管理士が確認しサポートする遠隔支援システムの開発を目的として掲げてきた。2019年度までに6地区ブロックにおけるパイロットスタディを実施して、測定マニュアルの整備や測定項目の選定、および遠隔支援システムの運用改善が図られてきたており、概ね、順調に研究が進んでいるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度が研究期間の最終年度になる。地域連携支援パイロットスタディも残り3地区ブロックの実施を下記のように予定している。 1)北海道地区ブロック出力線量測定・説明会 日程: 2020年7月11日(土)12日(日) 場所:北海道大学病院 放射線治療室 2)九州地区ブロック出力線量測定・説明会 日程: 2020年9月26日(土)27日(日) 場所:九州大学病院 放射線治療室・会議室 3)東京地区ブロック出力線量測定・説明会 日程: 2021年2月6日(土)7日(日) 場所:がん研究会有明病院 しかし、COVID-19の感染による影響で、上記のパイロットスタディが予定通り実施できるか不透明な状況である。そこで、2020年4月7日(火)にwebによる関係者会議を実施した。以下の改善を行いパイロットスタディに取り組む。1)事前データのweb登録システム:これまで支援施設の出力線量測定に関する事前提出データはエクセルによるファイル送付と記入ご返送により、手入力でSTD-Auditアプリに入力し、線量測定を実施していた。今回、事前データは、webページ上で登録し、STD-Auditアプリにも自動反映されるシステムを構築した。今後は、財団のガラス線量計測定の申込みフォーマットとの整合を取り、ガラス線量測定申込みフォーマットの自動作成機能を追加する予定である。2)ユーザ権限の設定:ユーザの権限を個別に設定できるような機能のウェブページを構築した。これにより委員会委員や支援担当者、および施設担当者など、データの登録、編集、閲覧の範囲を設定することができる。3)遠隔支援に比重をおいたパイロットスタディ:次年度は、これまで訪問主体で実施してきた測定支援を、遠隔支援主体で実施する試みを検討する。支援者の負担軽減にもつながる可能性はある。
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Causes of Carryover |
次年度は研究計画の最終年度になる。本研究のベースとなる放射線治療品質管理機構の地域連携支援パイロットスタディも終了年度と重なるが、次年度パイロットスタディは、3地区(北海道、九州、東京)実施する予定である。(これまでは年2地区)そこで、次年度の研究費使用を検討している。
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