2019 Fiscal Year Annual Research Report
異種移植のためのカプセル化細胞移植療法の検討90140
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18K12138
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
元 文姫 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 実験動物管理室, リサーチアソシエイト (80647016)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カプセル化 / 移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルギン酸ナトリウムは医薬品、医療材料、化粧品、更には再生医療などのさまざまな分野で利用されている。 昨年度はまずアルギン酸の粘度、ゲル強度、架橋剤、反応時間などによるカプセルの強度比較検討を行なった。また、解凍後のブタ肝細胞を用いてカプセル化を検討した。成熟したブタ肝細胞は重要な細胞源として考えられているが、凍結、解凍により肝細胞の生存率が落ちてしまう。しかし、カプセル化したブタ肝細胞をin vitroで培養した結果、長期間に渡り細胞の形が保たれ、アルブミン分泌が確認できた。またカプセル化したブタ肝細胞をマウスの腹腔内に移植して検討を行なった結果、in vivoにおいてもカプセルは数週間に渡り形が保たれ、臓器との癒着、腹水も認められなかった。さらにマウス血中のブタアルブミンも検出できた。 今年度は昨年度に引き続きin vivoにおいての検討を行った。昨年度は数週間までの検討しかできなかったため、より長い期間で検討を行い、良好な細胞生存と血中アルブミン検出が確認できた。また血管が乏しいと思われる皮下に移植して検討を行った結果、腹腔内移植に比べて生存期間の短縮、生存率の減少がみられたため血管誘導などの移植細胞周辺の環境改善が必要だと思われた。しかし皮下移植群においてもカプセル化せずに細胞のみ移植した群と比較して良好な傾向がみられた。 これらの結果はアルギン酸ナトリウムカプセル化は、有効で安全な方法の一つである可能性を示した。
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