2019 Fiscal Year Research-status Report
片側前腕切断者の断端部筋電信号特性と筋電義手操作能力に関する研究
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18K12156
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
大庭 潤平 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (10406259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶谷 勇 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (00356768)
大西 謙吾 東京電機大学, 理工学部, 教授 (70336254)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 筋電義手 / 上肢切断 / 両手操作課題 / 片手操作課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,筋電電動義手(以下,筋電義手)使用者の筋電ハンド制御時の断端部筋電信号特性と筋電義手操作時の運動学的分析に基づいた筋電義手操作訓練の効果を明らかにすることである.また筋電義手の操作訓練方法が義手操作能力にどのように影響するかは十分に検証されていない.研究対象者は健常者および筋電義手を使用する前腕切断者とした。 2018年度は,健常人を対象に模擬筋電義手を用いて筋電義手訓練で用いられる片手操作課題と両手操作課題が義手操作能力に及ぼす影響について検証し,両手操作課題が片手操作課題と比較して向上することが示唆された. 2019年度は、筋電義手の対象となった片側前腕切断者を対象として、片手操作課題と両手操作課題が義手操作能力に及ぼす影響について検証するために実験を行った。現在、12名を対象に研究計画が実施され、データの分析を行っている。その内訳は、片側前腕切断者12名(男性8名,女性4名)で過去に筋電義手の訓練経験がない者とした.年齢は42.9±13.9歳,身長は162.8±7.0㎝,体重は58.9±6.5kg,前腕長は,18.2±5.7㎝,残存肢に対する断端長割合は66.3±18.9%,前腕最大周径は,22.8±2.6㎝,切断側は,右側9名,左側3名であった.本研究では,クロスオーバー試験法を用いて、無作為に2群に割り付けた.両群の性別と切断側の比率はFisherの正確確率検定,年齢はMann-WhitneyのU検定,身長,体重,前腕長,残存肢に対する断端長割合,最大前腕周径は,Studentのt検定を用いて有意差が認められないことを確認した(p>0.05)。評価指標は、研究計画通りにTheSouthampton Hand Assessment Procedure,Assessment of Capacity for Myoelectric ControlおよびBox and Block Testを用いて実施した。 現在、分析を終えて、学術大会での発表と学術誌への投稿の準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、本研究(第2フェーズ)の筋電義手対象者である片側前腕切断者の実験データの蓄積と分析であった。その対象者のリクルートと実験を終了し、現在は分析および報告準備を行っている。既に学会での報告を終え、さらに詳細の報告ができるように準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、本研究(第2フェーズ)の実験データの蓄積と分析を進め、報告書を作成することである。その結果、本研究課題の成果と課題が明らかになると考えるため、発展的な研究ができるよう、研究協力者と議論を進め、研究の意義と価値を高めていきたい。また新たな課題に取り組めるように準備を行っていく。
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Causes of Carryover |
2019年度計画の研究対象者は、上肢切断者かつ筋電義手使用者というその特性から数が少なく、また実験に必要な経費が予定よりも少なかった。また詳細の分析については2020年度に実施予定で、かつ報告のための旅費や資料代については2020年度(最終年度)に経費として執行する予定である
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Research Products
(5 results)