2019 Fiscal Year Research-status Report
Systematic physiological evaluation of aromatherapy for optimized, personalized application.
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18K12157
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
清水 慶久 九州保健福祉大学, 生命医科学部, 教授 (80403674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 清志 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授(特命) (10144495) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Aromatherapy / 個人嗅覚嗜好アンケート / 自律神経系分析 / Power spectrum analysis / 局所混合血酸素飽和度(rSO2) |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度、我々は個人の嗅覚嗜好を考慮しアロマに対する嗅覚反応を科学的に解析した。健常男女20名を被験者として、一定間隔で5種類のアロマをマルチ・アロマシュータ(Aroma Shooter: Aromajoin Corp.)を用いて正確に噴射し、自律神経系の周波数(HF,LF)と脳前頭部酸素飽和度(rSO2)の変化を分析した。 自律神経系の全般的な分析では、各アロマに対する副交感神経(HF)の反応は、女性の方が男性に比べより高い数値で推移していた。これに対し、交感神経(LF/HF)への影響では、男性がやや優位な反応を示したが、ともに同調したパラレルな変動がみられた。 個々のアロマについてみてみると、従来コーヒーは交感神経(LF/HF)に作用するとされるが、男性では交感神経に、女性では副交感神経(HF)により強く作用した(P<0.01)。 このように、交感神経では男性の方がよりアロマの刺激に敏感な例が多くみられ、男性と女性には相対的な反応が存在することが明らかとなった。また、文献的には交感神経系に作用するとされている柑橘系のグレープフルーツでは、男性では副交感神経に影響を及ぼすのに対し、女性では逆に、交感神経に大きな影響を及ぼす相対的な反応が存在することが明らかとなり、被験者本人の認識・自覚とは一致しない傾向が認められた。 個人嗅覚嗜好アンケート調査による香りの嗜好性から、アロマ噴射後の反応を分析すると、rSO2は柑橘類を好む群ではヒノキ(樹木類)に有意に反応した(P=0.039)。一方、交感神経反応は、柑橘類を好む群ではグレープフルーツに良く反応する傾向を認めた(P=0.062)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在進行中の研究計画・実施状況について、基礎実験として実施した前頭部局所ヘモグロビン酸素飽和度(rSO2),交感神経・副交感神経の周波数解析(HF,LF/HF),嗅覚刺激に対する反応を見るための「日常のにおいアンケート」についての解析結果から、アロマセラピーに対する一定の研究成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の発展性を考え、交感神経・副交感神経への影響を与える要素について、新たに定量化可能な指標となる刺激要素を考案中である。現行進行中の研究で試行錯誤しながらの実施となるが、主なものとしては、味覚刺激,視覚・聴覚刺激などを候補として加え、自律神経系の変動要因の解析を試みる予定である。さらに、次年度購入予定の脳波センサZA-Xを用いて、さらに詳細に前頭部での自律神経系の分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
アロマの提示条件ごとの自律神経系をより詳細に分析するためには、前頭部酸素飽和度(rSO2)の変化だけでなく、前頭部に特化した解析が必要である。その実施のためには、脳波センサZA-X(プロアシスト)が必要であり、翌年度分として請求した助成金と最終年度の交付金とを合わせ、脳波センサを購入するため。
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Research Products
(4 results)