2019 Fiscal Year Research-status Report
Assessment of fall risk during walking
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18K12173
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
香川 高弘 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (30445457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松戸 典文 駒沢女子大学, 看護学部, 助教 (40734231)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歩行 / 転倒 / バイオメカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の第一の成果は,転倒のリスクを定量評価する指標を解析したことである.転倒リスクは、バランスマップ上の重心と転倒領域の境界との最短距離によって定量化する.歩行中に転倒する外乱を加えるコンピュータシミュレーションを行い,転倒が生じる外乱の大きさと最短距離が単調増加の関係にあることを明らかにした.コンパス歩行モデルを対象に遊脚の足先に加える外力の大きさを変化させて,状態が転倒領域の境界に到達する最小の外力を求めた.転倒境界との距離が短い歩行ほど、弱い外力で転倒境界に到達した.この結果は外力のタイミングを変えても同じであった.このことから,転倒境界との最短距離によって評価する手法が妥当であることが確認できた. 第二の成果は,健常者の歩行に対して遊脚に外力を加えたときに,コンピュータシミュレーションと同様に重心状態が前方転倒領域に接近・進入することを確かめたことである.トレッドミル上の歩行に対して,ワイヤーを用いて遊脚の足首を引っ張ることで前方転倒を誘発し,その時の身体運動を計測した.計測した身体の動きからバランスマップ上の重心軌跡を解析したところ,定常歩行では状態は安定領域内にとどまり転倒領域に入ることがないことがわかった.また,前方転倒を誘発した瞬間に前方転倒領域に状態が遷移することを確かめた.この結果は本研究課題の達成目標の一つであり,バランスマップ解析法が人の歩行の転倒リスク評価法として有効であることを確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健常者の歩行において解析法の有効性を検証することができたが,高齢者の歩行計測のためのシステム構築に時間がかかり,年度内に実施することができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染拡大防止の観点から,医療機関での歩行計測の実施の見通しが立たなくなった.そのため,今後は健常者の歩行を対象として,外乱のタイミングや強さと転倒リスクの関係を明らかにすることや、市販の歩行補助器具を使用した場合の転倒リスクへの影響を調査する研究に方向を転換することを検討する。
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Causes of Carryover |
医療機関で計測実験を実施する予定であったが,計測システムの構築に時間がかかり実施できなかったため。コロナウイルスの影響のため、次年度に医療機関で計測実験を実施することは困難であると予想されるため、健常者の被験者の謝金や実験の消耗品等に使用する。
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Research Products
(3 results)