2020 Fiscal Year Annual Research Report
Assessment of fall risk during walking
Project/Area Number |
18K12173
|
Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
香川 高弘 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (30445457)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松戸 典文 駒沢女子大学, 看護学部, 助教 (40734231)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 歩行分析 / 転倒リスク / 歩行シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
転倒は頭部外傷や骨折などの深刻な外傷を引き起こし,歩行障害や寝たきりなどその後の生活の質に深刻な影響を与える危険性がある.特に高齢者は転倒しやすく,約20%の高齢者が1年の間で転倒を経験し,転倒の内およそ15%で深刻な外傷を負っていることが報告されている転倒を予防するためには転倒リスクや歩行の安定度を定量化することが重要である.歩行運動は,複雑な多関節運動で力学的に不安定な運動であるため,まだ有効な評価法がないのが現状である.そこで本研究では,身体の機構を単純化して転倒を解析するバランスマップ解析の理論を構築し,計算機シミュレーションと歩行運動の計測データからその有効性を明らかにすることを目的とする. 計算機シミュレーションでは構築した理論の妥当性と,転倒リスク評価の指標について検討した.シミュレーション結果から,躓くように外乱を加えると,状態が転倒領域に急速に移動することから,バランスマップの転倒領域の妥当性を確かめた.また,転倒リスクの評価法として,転倒領域の境界に対する最小距離が転倒のしやすさを表す指標として有効であることを確かめた.歩行計測実験では,定常歩行と歩行中に躓かせたときの動作をモーションキャプチャで計測し,それぞれの軌道をバランスマップ解析によって評価した.実験の結果,定常歩行中の軌道のほとんどが転倒領域にには入らず,躓いたときに状態が転倒領域に移動することを確かめた.すべての被験者で,躓いた後に転倒領域からのマージンが大幅に減少することを確かめた.これらの挙動は計算機シミュレーションの結果とよく一致した. 以上の結果から,歩行中の転倒のしやすさの評価において,バランスマップ解析の理論的枠組みが有効であることを確かめた.
|
Research Products
(4 results)