2018 Fiscal Year Research-status Report
1つの触覚刺激による体表点字の実現と生活応用システムの構築
Project/Area Number |
18K12175
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
大墳 聡 群馬工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (50223863)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 福祉 / 触覚 / 皮膚刺激 / 体表点字 |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚と聴覚に障害のある盲ろう者を主な対象とした情報伝達システムである体表点字の研究を行っている。これまでの研究では体表点字の読み取り特性の向上と体表点字を用いた生活応用システムの検討を行っている。読み取り特性の研究では、当初点字1マスを表すのに6つの振動モータを使っていたのを現在は2つの振動スピーカを用いているものとなっている(2点式体表点字)。本研究では1つの振動スピーカを用いた1点式体表点字の実現することと、これまでに専用装置で提案してしてきた生活応用システムを市販の装置で実現して誰でも容易に利用できることを目的とする。 今年度はPC上での1点式体表点字の実現を行った。2点式および1点式体表点字では、3行×2列の6点からなる点字マスを上・中・下の3つのブロックに分け、各ブロックの点の構成に応じて振動刺激により伝達する。各ブロックでの点の構成は、右・左・両方・なしの4つのどれかとなる。一点式体表点字のパターンとして2点式体表点字のパターン参考に右:150Hz・左:40Hz・両方:150+40Hz(合成)・なし:150Hzの短い振動に対応させ一点式体表点字を実現したところ認識率は74%であり、2点式体表点字の認識率87%には及ばなかった。 今年度後半では、一点式体表点字の正答率の向上を目指した。これまでは振動駆動時間内では周波数は一定であったが、振動駆動時間内に周波数を変える:交互(150Hz←→40Hz)と変調(40Hz→50Hz)を導入して実験を行った。交互は有効であり正答率87%を実現し、2点式体表点字の認識率と同等となった。変調については、振動駆動時間が短いため認識できない被験者もいた。振動駆動時間を200msに固定しての平均正答率での評価では個人差が埋もれてしまい、個人に適した振動パターンとはなっていない。個人に適した振動パターンを見出す必要性がわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初の予定通り一点式体表点字を実現できた。また市販の機器(Androidタブレット)での体表点字装置の開発も着手し、その装置での正答率測定用に点字キーボードも製作できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究ではPC上での一点式体表点字を実現できたが、変調の振動パターンは有効ではなかった。これは振動駆動時間が短いために振動を認識できない被験者がいたためである。振動駆動時間を200msに固定していたが、300msなどに長くすると変調の振動パターンも有効になると思われる。個人差を考慮した振動パターンについて検討する。 また、科研費申請時の研究計画調書のとおり次年度は市販の機器での体表点字装置の実現を目指す。これまで振動モータを駆動させる体表点字装置はPICを用いた専用装置(個別製作)であった。振動子を振動スピーカに代えたことで、体表点字装置は特定の周波数・振動時間の音が発生できればよいこととなった。タブレット端末から通常音声出力(イヤホン端子)がある。特定の周波数・振動時間の音が発生できれば体表点字装置になりえる。次年度はタブレット端末を体表点字装置化する。そして、この装置を用いて外部の被験者にて認識実験を実施する。
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Causes of Carryover |
当初計画では海外発表を予定して積算していたが、障害者での測定データが得られず海外発表はできなかった。計画していた海外発表は隔年であり次年度は開催されない。次年度の使用としては、障害者での測定計画・実施やその測定実施を行うための体表点字システムの充実に充てたいと考えている。
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Research Products
(2 results)