2020 Fiscal Year Research-status Report
科学的表象理論に基づく「データのモデル」の分析と科学的実在論論争への含意の検討
Project/Area Number |
18K12178
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
大西 勇喜謙 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 講師 (50793155)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学的実在論論争 / データのモデル / 深層学習 / データ同化 / 科学的表象理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトの当初の計画は、1)表象理論を用いたデータのモデル分析、2)データ同化技術に関する分析、3)これらと実在論論争との関わりに関する分析からなっていた。このうち、3)については、近年の深層学習の発展を鑑み、その実在論論争への含意を分析するよう、過年度より方向修正した。本年度は、引き続き3)に関する分析を進め、旧来の機械学習技術に基づいた実在論擁護の議論を調査し、その深層学習への応用可能性を検討したほか、敵対的生成ネットワークを用いて新たなデータを生成することでStanfordの新帰納法を回避するという、Spelda&Stritecky(2020)による試みなどを批判的に検討した。その結果、いずれの議論も実在論論争の論争構造に大きな変革をもたらすには至らないという感触をえた。また1)については、表象理論に関する議論のアップデートを行ったほか、事例分析の準備として、電気泳動の理論に関する調査を行った。その結果、少なくとも基礎理論については、準同型を用いた分析と親和性が高いという感触を得たが、実践面については、コロナの影響を鑑み、本年度の調査は断念した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響により、教育業務の対応に追われたほか、情報収集や意見交換の機会が限られたことから、分析の広がりを欠いている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、3)について論文にまとめると共に、コロナの動向も見つつ、1)や2)についても、電気泳動の実践調査や、ワークショップなどを開催しながら、さらに分析を深めたい。
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加や海外滞在研究を取り止めたため。また、資料の多くが所属機関から利用可能なジャーナル論文であったため。次年度は、コロナの影響を鑑みつつ、海外滞在研究、もしくは海外研究者の招聘に充てたい。
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Research Products
(2 results)