• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

フェリックス・ガタリの「スキゾ分析」の理論、およびその臨床実践に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18K12184
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

山森 裕毅  大阪大学, COデザインセンター, 特任講師(常勤) (00648454)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsスキゾ分析 / 制度分析 / 制度精神療法 / 当事者研究 / 哲学対話 / 対話実践 / 臨床実践 / フェリックス・ガタリ
Outline of Annual Research Achievements

■フェリックス・ガタリのスキゾ分析の研究成果として、論集『ドゥルーズの21世紀』(河出書房新社、2019年1月)に「スキゾ分析の初期設定」を発表した。ガタリの『アンチ・オイディプス草稿』から、彼の発案したスキゾ分析の初期設定を体系的に取り出すという内容である。スキゾ分析はガタリがドゥルーズと共著で出版した『アンチ・オイディプス』ではじめて公的に登場しているが、それに先立つ時期にガタリが単独でどのような形でスキゾ分析を考案したかを明確にしたこと、またスキゾ分析が人格、個人、自我の解体を目指した分析技法であることに焦点を当てたことに意義がある。その後のガタリの思考の軌跡を追う上でも参照点となる内容となった。
■コミュニティ・スペースべてぶくろでの哲学カフェ(月1回)や、医療法人内のデイケアでの当事者研究(月2回)、アートNPOでの子どもたちとの哲学対話(1回)などの対話実践、および「制度と精神療法研究会」での研究活動を通して、対話実践やミーティングに関する論考を二本投稿した(論文は2019年度に公刊予定)。内容としては、①哲学対話とオープンダイアローグの比較研究と、②制度精神療法とオープンダイアローグと当事者研究における対話実践の比較と社会的意義に関する研究である。オープンダイアローグと当事者研究はしばしば比較されるが、さらに哲学対話と制度精神療法を並べることで「対話実践」のより広い視野を獲得することができると同時に、それぞれにどのような限界や領域性があるのかを明らかにするいう意義がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

■研究計画調書に書いたように、2018年度はガタリの『アンチ・オイディプス草稿』に関する研究を進め、成果として論文「スキゾ分析の初期設定」を提出することができた。
■またスキゾ分析と関連して、2017年度に学会と研究会で報告した研究が公刊されたのも大きい。①「ンデンブ族の医師によるスキゾ分析」(『I.R.S―ジャック・ラカン研究―』17号所収)、②「artificeの哲学と〈雀蜂-蘭〉の機械状生態学―フェリックス・ガタリ『アンチ・オイディプス草稿』より」(『hyphen』3号所収)。
■対話実践に関する研究成果は当初の計画にはなかったが、依頼により執筆する機会が与えられた。

Strategy for Future Research Activity

■フェリックス・ガタリのスキゾ分析に関する文献研究として、2019年度は『逃走線』、『千のプラトー』、『ミクロポリティクス』を重点的に精読していく。また関連する二次文献を収集し、その読解に努める。
■シャーマニズムなど人類学における治療儀礼・治療文化の研究をはじめ、それらがガタリやスキゾ分析にどのような影響を与えたかを明らかにする。またそれだけでなく、現在の精神療法などと合わせて、「精神の病とは何か、その治療とは何か」という問いを広い文脈に位置づけて考えるための土台を作ることを目指す。
■哲学カフェや哲学対話、当事者研究などの現在行っている対話実践や当事者活動を継続的に行い、それがひとの精神に及ぼす影響や意義を明らかにする。
■学会や研究会、フィールドワークなどを通して、さまざまな意見を批判的に取り入れるとともに、社会のなかで精神障害者やその他のマイノリティが直面する現状の課題とそれに対する運動や活動について調査する。

Causes of Carryover

次年度使用額が84円生じた理由に特筆すべき理由があるわけではなく、助成金を計画的に執行した範囲に入ると考える。またこの金額(84円)を使用するためだけの計画を新たに立てるということには合理性がない。そのため使用計画を立てることは行わず、2019年度助成金に含めて通常通りに使用していく。

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 2018

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] ンデンブ族の医師によるスキゾ分析2019

    • Author(s)
      山森裕毅
    • Journal Title

      I.R.S―ジャック・ラカン研究―

      Volume: 17 Pages: 2‐19

  • [Journal Article] 質問をデザインする2019

    • Author(s)
      山森裕毅
    • Journal Title

      Co*Design

      Volume: 4 Pages: 31

    • DOI

      info:doi/10.18910/71352

    • Open Access
  • [Journal Article] artificeの哲学と〈雀蜂-蘭〉の機械状生態学―フェリックス・ガタリ『アンチ・オイディプス草稿』より2018

    • Author(s)
      山森裕毅
    • Journal Title

      hyphen

      Volume: 3 Pages: 5-10

    • Open Access
  • [Book] ドゥルーズの21世紀2019

    • Author(s)
      檜垣 立哉、小泉 義之、合田 正人ほか
    • Total Pages
      512
    • Publisher
      河出書房新社
    • ISBN
      4309248969

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi