2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of the Later Navya Nyaya Metaphysics based on Raghunatha's Commentarial Works
Project/Area Number |
18K12197
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩崎 陽一 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (40616546)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 形而上学 / 時間論 / 主宰神論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は時間論と主宰神論に注目しつつ、ラグナータの形而上学の全貌を明らかにしようとするものである。これまで、コロナで順延されている国際学会での成果発表のために研究期間を延長して旅費を確保してきたが、ついに中止が決定したので、発表は取りやめて研究成果をとりまとめることにした。 最終年度は研究成果としての写本翻刻データを整理した。今後、異読を調査して整形するには、異なるプロジェクトで開発中のプログラムが役に立つはずである。その成果をまって、この写本翻刻データも公表する計画である。 ラグナータ形而上学の研究については、これまでの研究で必要性が浮かび上がった、ヴィシュヌ教との関係について調査を進めた。とくに、叙事詩の世界観とバガヴァッド・ギーターのカーラヴァーダについて先行研究にひろくあたり、また註釈文献を用いつつギーター本文を検討することで、納得のいく理解に達することができた。ギーター研究の成果は論文集『予測と創発』所収の論文「因果応報と運命」に、いくぶん一般読者も対象にしたことばでまとめ、公表した。また、シンポジウムや講演等でこの論題について話す機会を得た。研究開始時は研究がギーターに帰着することは想定していなかったが、時間論と主宰神論を扱う以上、こうなることは或る意味必然である。ただし、現時点では時間=主宰神論とラグナータの形而上学をいまだ整合的に俯瞰できていない。無理に俯瞰する必要はないのかもしれないが、それを試みることは考えている。現在、別のプロジェクトでウダヤナの形而上学を改めて研究しているので、その成果と合わせて、本科研の主題をもういちど俯瞰する機会があるだろう。
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Research Products
(3 results)