2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K12198
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
名和 隆乾 大阪大学, 文学研究科, 特任講師(常勤) (20782741)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | パーリ正典 / 輪廻 / 縁起説 / カーヤ |
Outline of Annual Research Achievements |
【調査内容】「カーヤ」及び五支縁起説それぞれの用例を,主資料であるパーリ正典より網羅的に収集し,読解作業を行った.用例収集は,正典中の「カーヤ」に言及する註釈・復註文献からも行うことが出来た.また,ヴェーダ文献,ジャイナ教文献より「カーヤ」の用例収集を行った.ヴェーダ文献については読解も完了し,現在はジャイナ教文献の用例を読解中である. 【成果公開】本研究課題の成果の一部として,次の共著1冊に寄稿した: 加治洋一・漢訳仏典研究会(編)・中西麻衣子・名和隆乾・古川洋平・阿賀谷智宏(著)『『義足経』研究の視点 附・『義足経』訓読』,自照社出版, 2018. 本研究課題に関わる次の講演を行った: 「パーリ聖典における縁起説の文献学的研究」,身延山大学国際日蓮学研究所,2018年5月31日. 「カーヤ」に関する研究成果の1部は,2019年度に公開予定である.2018年度は,2度にわたる身分の変更,これに伴う種々雑務という,研究そのものよりも周辺の事務作業に多くの時間を費やした為,充分な成果公開が叶わなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた用例調査は完了し得,次年度以降に予定していたヴェーダ文献,ジャイナ教文献の用例調査にまで進み得たことから,調査自体は順調に進展しているといえる.但し,本年度内に所属研究機関の変更が2度起こり,身分や周辺状況が不安定であった為に,学会等における成果発表は充分に行うことが出来ず,共著1冊,講演1回にとどまった.
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Strategy for Future Research Activity |
ジャイナ教文献における「カーヤ」の用例の読解作業,叙事詩文献からの「カーヤ」の用例収集,読解作業を行う.30年度は充分に成果公開が出来なかった為,学会や学術誌における公開を急ぐ必要がある.大阪大学にて特任講師(常勤)に着任した為,安定した成果公開が可能になる筈である.
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Causes of Carryover |
2018年度10月,「優れた若手研究者の採用拡大ポスト」事業により,大阪大学文学研究科特任講師(常勤)に就任した際,「優れた若手研究者の採用拡大支援経費」(後,「若手人材雇用推進経費」に名称変更)が予算として配分された為,科研費で使用予定であった分をそちらから支払ったため.
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