2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Development of the Nichiren Sect at Suruga in the Medieval and Modern Period:Based on a Comprehensive Research of the Historical Materials of Nishiyama-Honmonji
Project/Area Number |
18K12201
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
本間 俊文 立正大学, 仏教学部, 専任講師 (30779690)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 西山本門寺、中世、近世、駿河、史料調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、静岡県富士宮市に所在する日蓮系単立寺院西山本門寺所蔵の寺院史料に関する調査研究である。従来、全容が明らかでなかった同寺所蔵の寺院史料を対象とした初の悉皆調査を実施して史料目録を作成し、その全容を明らかにすることを第一の課題とする。そして、悉皆調査による研究成果を踏まえ、特に中世および近世成立の史料を手掛かりにこれまで多くの課題を残していた西山本門寺史について考察し、駿河における日本仏教史の一端を解明することを第二の課題としている。 当初の研究実施計画においては、本研究の基幹作業にあたる史料調査を平成30~令和2年度中旬までの約2年半実施することを想定していた。令和2年度はその最終年にあたることから、史料調査完了と史料目録作成、主要史料の翻刻、学会等での発表など、本研究の総まとめを予定していた。 しかしながら、西山本門寺史料が想定以上に膨大であったこと、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて史料調査の実施自体が容易ではなかったことなどが要因となり、史料調査の進捗が大幅に遅れた。そのため、本年度の研究の全てを史料調査に費やさざるを得ず、結果的に悉皆調査を完了することができなかった。したがって、本年度は国内学会における口頭発表および研究論文での公表も行うことができなかった。 その一方で、研究期間全体を通じて、計1830点の西山本門寺史料の詳細な記録と写真撮影を行うことができた。加えて、令和元年度に「西山本門寺所蔵の日順『内過去帳』について」(『印度学仏教学研究』第68巻1号)との論文を発表し、西山本門寺所蔵の貴重史料である日順『内過去帳』の内容と史料的意義を明らかにできたことは、今後の西山本門寺史研究に大いに裨益する成果であると考える。
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