2019 Fiscal Year Research-status Report
A sociology of religion of "post-spirituality": the case of spiritual therapy dropouts
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18K12205
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 資本主義の倫理 / 言説分析 / 「消費詐欺」論 / ブログ記事の分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年6月のAsian Studies Japan Conference(発表題名:Datsu-supi: Heretical Discourse and Spirituality in Contemporary Japan)、7月の国際宗教社会学会(発表題名:Criticizing spiritual prosumption from within: the case of the anti-spirituality discourse in contemporary Japan,)、9月の日本宗教学会(発表題名:「異端論としての脱スピ論-内からのスピリチュアル批判-」)にて「脱スピ」というキーワードを使ったアメーバブログ記事五〇四件の分析をもとに、脱スピ論者の言説をまとめ、脱スピ論者は「脱物質主義的価値観」というよりも、スピリチュアルの「正しい」消費だけを目指している「消費者保護団体」のように見えるところと、「正統的・単一的」な「スピリチュアル」の理解を探求しているところがあると議論した。そして、これらの脱スピ論者の言説を更に資本主義の倫理の側面から検討し、反カルト論者の言説と比較した論文を(二重盲検・査読者2人の)SilvaIaponicarumという学術誌に掲載した。 一方、インタビューのために脱スピ論者の協力を得るのが難しく、より時間が必要のようである。と同時に、情報の収集のために、もう一つのルート、いわゆる、「消費詐欺」と思われた行為に対しての被害者のクレームや裁判の判例における論述を「脱スピ」論の一環として分析することを視野に入れている。そのため、2019年度後半に「宗教とビジネスと法律」を扱った最新の研究(例:Andrew VentimigliaのCopyrighting GodやDaniel VacaのEvangelicals Incorporated)の知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
思ったより脱スピ論者のインタビューの実施が難しかったが、大量のブログ記事の分析ができた。また研究発表を国内・国外の大会で3つ行い、査読のある・オープンアクセスの学術誌に一つの論文を掲載できた。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス関係で海外で実施される予定の学会や国内のインタビューがどの程度実施できるか不明だが、2020年度は次の3つの作業を予定している。 ①スピリチュアルビジネスの詐欺被害に関するネット上の言説の収集と分析 ②スピリチュアルビジネスとかかわる判例の分析 ③メールやスカイプを通しての脱スピ論者のインタビュー
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Causes of Carryover |
当初の計画通り、インタビューのための旅費が発生しなかったので、次年度使用額が生じた。令和2年度はその助成金を使い、資料収集のためにリサーチアシスタントを雇用する予定である。
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