2019 Fiscal Year Research-status Report
The Traditional Islam Trend and Sufism in the American Muslim Community
Project/Area Number |
18K12209
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
高橋 圭 東洋大学, 文学部, 助教 (60449080)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | イスラーム / スーフィズム / タリーカ / アメリカ / 伝統主義 / 改宗 / 移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年北米(アメリカ合衆国)で盛り上がりを見せている「伝統的なイスラーム」への回帰を説くスーフィー運動(イスラームの霊性運動)―これをさしあたり「伝統イスラーム運動」と呼ぶ―に注目し、その実態解明に取り組むとともに、この運動を北米におけるイスラームとスーフィズムの展開の中に位置づけることを目指すものである。 平成30年/令和元年度は、まず昨年から引き続き先行研究の網羅、文献・インターネット上の資料の調査・分析に取り組んだ。 近年アメリカのイスラームに関する研究は特に現地で盛り上がりを見せており、毎年多くの成果が出版されている。本研究課題に直接関係する成果にとどまらず、アメリカのイスラームを扱った研究全般を視野に入れて最新の研究動向の把握に努めた。また、本研究課題の対象となるイスラーム団体やムスリム知識人・活動家たちの多くがホームページやSNSなどオンラインでの情報発信をしており、当該年度はこれらのオンライン上の情報から現地の動向を追跡し、またその分析を行った。 8月には現地調査を実施した。今回は、おもにワシントンDCとサンフランシスコ・ベイエリアで調査を文献の調査や聞き取り調査を行い、大きな成果を得た。 加えて、研究の経過についても順次、口頭発表や出版活動を通じて発表を行った。口頭発表については、7月の国内研究会での報告をかわきりに、9月に国内学会と国内研究会と11月の国際学会において、順次研究成果の報告を行った。また11月には一般向けの公開シンポジウムに登壇し、研究成果の社会還元にも努めた。出版活動については、3月に刊行された論集に研究成果を盛り込んだ論文を投稿した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年/令和元年度は先行研究の網羅、文献・インターネット上の資料の調査・分析に加えて、約一か月間アメリカ(ワシントンDCとサンフランシスコ・ベイエリア)での現地調査を実施し、そこで今後の研究を進展させるための様々な情報や示唆を得ることができた。また研究の経過について、論集への寄稿や国内外の研究会・学会での発表を通じて年度内に継続的に報告することもできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、まず文献・インターネット上の資料の調査・分析を継続する。なお8月に現地調査を予定しているが、新型コロナウィルスの感染症拡大が収まらなければ、延期もしくは年度内の実施を中止する。実施する場合はシカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ・ベイエリアで調査を行う予定である。また、研究の経過は適宜口頭発表や出版物として発表する。
|
Causes of Carryover |
平成31年/令和元年度は計画通りに研究を進めることができたが、平成30年度からの繰り越し資金を加えた予算額全額は使い切ることができなかった。当該年度は現時点では海外調査に加えて、国際学会の渡航費、および英語での成果発表(現時点では年度内に少なくとも3本の英語論文を執筆予定である)の校閲費に充当する予定である。年度を通じて海外渡航が困難な場合は、文献調査の費用に充てるほか、令和3年度への繰り越しも検討する。
|