2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Traditional Islam Trend and Sufism in the American Muslim Community
Project/Area Number |
18K12209
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
高橋 圭 東洋大学, 文学部, 助教 (60449080)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イスラーム / スーフィズム / タリーカ / スーフィー教団 / アメリカ / 伝統主義 / サードプレイス / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年北米(アメリカ合衆国)で盛り上がりを見せている「伝統的なイスラーム」への回帰を説くスーフィー運動(イスラームの霊性運動)―これをさしあたり「伝統イスラーム運動」と呼ぶ―に注目し、その実態解明に取り組むとともに、この運動を北米におけるイスラームとスーフィズムの展開の中に位置づけることを目指すものである。 令和五年度は、まず昨年度から引き続き先行研究の網羅、文献・インターネット上の資料の調査・分析に取り組んだ。特に当該年度は、これまでの調査で得た事例の理論的な枠組みの構築に取り組むために、アメリカのイスラームに関する研究のみならず、アメリカの宗教コミュニティ全般の動向を扱った研究や、コミュニティ理論に関する文献の収集に力を入れた。 8月には現地調査に取り組んだ。今回はシカゴ、デトロイト、サンフランシスコ・ベイエリアで聞き取り調査や参与観察を実施した。2年ぶりとなる現地調査となったが、コロナ禍後の変化なども含めて、アメリカのムスリム・コミュニティやスーフィー団体の最新の状況の把握もでき、大きな成果を得ることができた。 研究成果については、口頭発表や出版活動を通じて発表を行った。口頭発表については、11月に現地調査の報告を行ったほか、アメリカのムスリムに関する講演、3月にはウズベキスタン国立世界言語大学でアメリカのスーフィー団体に関する講演を実施した。出版活動については、まず本研究課題の主要成果として、9月に論文を発表したほか、11月にはアメリカのムスリムの写真集を刊行した。それ以外にも、事典項目の担当や論集へのコラムの寄稿、調査報告など多くの成果を公開することができた。 最後に社会還元として、11月に東京外国語大学で、アメリカのムスリムに関する写真展を企画・運営し、またアメリカから写真家を招聘してセミナーも開催した。
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