2022 Fiscal Year Annual Research Report
Significance of Sufism and Roles of Tariqa in Contemporary Societies: A Comparative Study of Sudan and Egypt
Project/Area Number |
18K12212
|
Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
丸山 大介 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (60749026)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | スーフィズム / タリーカ / スーダン / エジプト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、エジプトとスーダンで活動するタリーカ(スーフィー教団)を対象に、スーフィズムに基づく思想と実践が現代社会においていかなる意義と役割を有しているのかについて考察することである。とりわけ、エジプトとスーダンにおけるスーフィズム思想とタリーカの活動に見られる共通性と地域的特性を明らかにし、スーフィズムに基づく思想と実践の連環が今日的状況においていかに保たれ、いかなる意義と役割を有しているのかについて、より一般化された枠組みの中で理解するための基盤を構築しようと試みた。過去4カ年についてはコロナウイルスの感染拡大やスーダンの国内情勢不安定化の影響で当初予定していた現地調査がほとんどできなかったため、すでに入手していた資料の分析や、オンライン上で入手できる資料の収集・分析を主に行った。 研究の最終年度である本年は、これまで十全に行えなかった現地調査を実施する予定であったがかなわず、2023年3月にアメリカ議会図書館で未入手であった文献資料を収集・分析した。とりわけ、スーダンの宗教指導省傘下にあったズィクルとズィクルの徒国民評議会が発行した『流出(al-Fayd)』(最新号は2008年発行の19巻)の第1巻から第5巻を入手し、イスラーム主義を推進するスーダン政府がスーフィズムやタリーカを国家運営の中にどのように位置付けようとしていたのか、また、政府がタリーカとどのような関係を切り結ぼうとしていたのかを考察した。 研究成果の公開に関しては、公開講演会で口頭発表を行ったほか、学部生向けの講演録に論文を寄稿するなど、研究の社会還元を念頭に置いて進めた。
|