2021 Fiscal Year Research-status Report
亡命ロシア人とユーラシア主義:「マイノリティ」と広域思想の関係の解明
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18K12216
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
斎藤 祥平 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (10801714)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 亡命ロシア人 / 難民キャンプ / 広域的ネットワーク / オーラルヒストリー / 米ソ対立 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に原稿の執筆を行い、日本語による論文(査読付き、共著)を刊行した。
本論文は、亡命ロシア人2世へのインタビューを題材として、本研究で得た知見を踏まえて執筆したものである。これまでは、戦間期の亡命ロシア人の思想や活動のうち、1920年代から30年代にかけてを主たる研究対象としていたのに対し、本論文では、あくまでも個人とその周辺の状況を中心としながらも、1940年代の戦争直前・戦中の状況を踏まえつつ、亡命ロシア人がどこに向かいつつあったのかという、戦後の展開を射程に入れている。亡命ロシア人の潮流の広がりに加えて、この時代における彼らの動向や意識の推移といった問題群に対し、新たな方法から一歩迫る契機となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外への渡航が困難な状況であり、予定していた海外での史料調査や研究会等を延期しなければならなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに収集した史料を整理し、分析を進めていく。また、状況を注視しながら海外出張(史料調査)や研究会合を行うが、それまでは代替措置としてオンラインによる研究打ち合わせを行い、出張や調査のための準備を行うほか、国内出張による資料調査を行うことで可能な限り研究を推進する。
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Causes of Carryover |
情勢の変化により、予定していた海外出張(史料調査)を行うことができなかったため。次年度では、状況を注視しながら可能な限りにおいて海外出張を行う。
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