2018 Fiscal Year Research-status Report
"Japonism ballet" in the time of imperialism and revolution: History, aesthetics and politics
Project/Area Number |
18K12223
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斎藤 慶子 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 助教 (20805832)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ジャポニスム / バレエ / ミカド / ダイタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、19世紀末のロシア・バレエにおける日本文化受容の様相をあきらかにすることである。19世紀末のロシア国内の主要な劇場で、日本の文化表象を取り入れたバレエ(以下、「ジャポニスム・バレエ」と表記)が少なくとも3作品上演された。それらの作品に表れている、日本文化を理解しようとする熱心な態度は、ヨーロッパ諸外国のジャポニスムとははっきりと異なっていた。また、ロシア独自のジャポニスム作品の創作という観点で、他の芸術ジャンルに先行していたのがバレエだった。日本文化受容経路の調査と、バレエが帝政ロシアで果たしていた役割の分析を合わせることで、のちの対日文化外交においてバレエが利用されることになる素地を詳らかにする。 本年度は資料調査のためにモスクワとペテルブルグへ3週間の出張を行った。当初の予定では、バレエ『ダイタ』に関する調査のみを行う予定が、現地にてサンクト・ペテルブルグ国立ボリショイ・サーカス博物館も訪問し、1890年に上演された喜劇バレエ・パントマイム『日本、もしくはミカドの3人のおちゃめな女性たち[仮訳]』の掲載された広告を閲覧した。そのほかサーカス文化について学ぶための重要な文献を収集した。 本研究と関連する報告を第1回日露大学協会総会(第7回日露学長会議)(札幌京王プラザホテル)、北海道大学・モスクワ大学交流デー(モスクワ大学)、国立芸術学研究所(モスクワ)で行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
情報収集のために一般公開のコンサートを今年度に行う予定だったが、都合がつかず、次年度に延期することとなった。次年度の1,2月頃に、2名の出演者を招聘して開催する予定。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度に実施できなかった一般公開コンサートを行う。『ダイタ』や『日本、もしくはミカドの3人のおちゃめな女性たち[仮訳]』に関する調査を進める。
|
Causes of Carryover |
今年度行うはずだった一般公開のコンサートを次年度に延期したため。
|