2020 Fiscal Year Research-status Report
近代日本の語り芸ジャンルの混淆とその拡がりに関する研究ー浪花節の地方展開を軸に
Project/Area Number |
18K12230
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
薗田 郁 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 非常勤講師 (60772241)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 語り芸 / 浪花節 / 近代 / 興行 / 大衆芸能 / 地方 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はコロナ禍による外出自粛により、予定していた高知県などでの現地調査が実施出来なかった。そのため、可能な範囲で文献による資料調査を行ったほか、前年度までに収集した資料の整理分析を進め、その成果を発表した。高知県での現地調査で収集した資料からは、特に興行記録に関わる調査分析を行い、浪花節の地域受容に関する研究論文を発表した。また、同じく高知県での調査に基づく聞き取り資料の分析、および音源映像資料の演奏分析を行い、浪花節と人形芝居の結びつきに関する論考を浪花節研究の論集において発表した。上記のいずれの成果も、本研究課題の中心的な内容である、演者を中心とした興行実態の解明を進めることが出来ている。また浪花節芝居(節劇)の興行活動については、新たに関西を中心とした上演状況の網羅的な調査を実施しており(継続中)、これらの調査から明治期から大正期の興行展開のおおまかな流れ、また演者の動向についても一定の成果を得ている。 関連する芸能の一つである活動人形については、前年に続き国会図書館などでの新聞資料、その他文献調査による興行記録の調査を継続した。外地(台湾・満州)での記録については、植民地で開催された博覧会への興行記録を確認することが出来き、これらの資料分析に基づく成果の一部として、植民地期での芸能・音楽活動をテーマとした国際会議において発表を行った。その他、源氏節については、これまで収集できた音源資料および文献資料に基づいて源氏節女芝居の上演形態の解明を進め、興行活動についてもこれまで調査出来ていなかった地域について新たな情報を収集することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による外出自粛により、予定していた現地調査が実施出来なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
外地での興行活動は、興行記録の見つかった活動人形とは別の芸能についても調査すべき事項が見出されたため、コロナ禍状況を見据えつつ、現地調査を実施していく予定である。浪花節については本年度から行っている浪花節芝居(節劇)に関連する興行記録の網羅的調査を継続し、それらの成果を踏まえ、これまでの現地調査で得られた地域との関連性を含めた広範囲な興行活動の実態解明を目指す。
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Causes of Carryover |
理由は期間延長申請をしたことで、調査に関わる費用等が次年度に持ち越しとなったため。次年度は主に前年度に実施できなかった現地調査による旅費、および口頭発表を念頭においた研究成果発表の実施費用に充てる。
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Research Products
(3 results)