2020 Fiscal Year Research-status Report
Re-evaluating the influence of Artemisia Gentileschi on Neapolitan painting
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18K12237
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
川合 真木子 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 助教 (20801294)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | アルテミジア・ジェンティレスキ / ナポリ / 女性画家 / バロック / ベルナルド・カヴァッリーノ / マッシモ・スタンツィオーネ / 自画像 / 西洋美術史 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2020年度を通じ、17世紀のナポリで活躍した女性画家、アルテミジア・ジェンティレスキの活動と周辺の画家との関係についての調査、および文献の収集を行った。あわせて、前年度までに収集した資料の整理を行った。
2019年度よりナポリの画家全体に対する基礎調査の一環として着手した、ベルナルド・デ・ドミニチ著『ナポリ芸術家伝』の翻訳のうち、「ベルナルド・カヴァッリーノ伝」の翻訳を完成させた。あわせて、翻訳部分に関する補足、および現存する作品との対応関係を精査した一覧表を含む解説を執筆し、所属研究室の紀要に掲載した（機関リポジトリによるオンライン公開を予定している）。
デ・ドミニチの『ナポリ芸術家伝』は、ナポリ派に関する基礎文献の一つであるが、翻訳によって、これを日本語で読めるようになった意義は大きいと考える。本伝記の翻訳により、日本ではこれまであまりなじみのなかった17世紀のナポリの画家たちに関する情報へのアクセスが容易になり、今後の研究発展にも大きく貢献するものと考えている。
また、研究課題であるアルテミジアのナポリ派に与えた影響を考察するうえでも、比較作例となり得るカヴァッリーノの作品に関する調査を進めることができた。この結果、この時期のナポリの画家たちの活動に関して、有意義な知見を提示しつつあると考えている。今後、伝記の翻訳を通して見いだせた両画家の関係を他のナポリの画家も交えた形でより深く研究していく予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ナポリの画家に関する資料収集などはおおむね順調に進んでいたが、Covid-19感染症による渡航規制のため、アルテミジア・ジェンティレスキに関わる重要な展覧会を実際に見学することができなかった。また同様の理由で、ナポリ等における文書館での追加調査が実施困難となった。
これまで収集した資料の整理や、代替的な措置を検討する必要が生じ、研究にやや遅れが生じている。
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| Strategy for Future Research Activity |
Covid-19感染症流行により、現状では、現地調査を実施するめどがたたないため、引き続き現地のアーキヴィスとたちとのコンタクトは確保し、状況が好転した際の調査実施に備える。一方で、翻訳作業から得た成果により重点を置きつつ、国内でできる図像の整理作業や考察・執筆にシフトしながら、研究の進行状況を調整していく。
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| Causes of Carryover |
Covid-19感染症の流行によって、予定していた展覧会の見学を含む現地調査が行えなかったため。また機関移動のため、予算の執行にタイムラグが発生したため。調査予定の作品を実見できなかった代替として、図版や書籍の購入と、国内での調査のための旅費、および資料整理に関る人件費等に充てる。
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