2018 Fiscal Year Research-status Report
ポストコロニアルの視座から見るフランス近現代美術の状況
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18K12247
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
宇多 瞳 同志社大学, 人文科学研究所, 嘱託研究員 (70735290)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フランス / ポストコロニアル / 海外県・海外領土 / FRAC / シュルレアリスム |
Outline of Annual Research Achievements |
4月から5月にかけて、フランスの都市郊外に暮らす人々をテーマとした制作を行っている作家ヴァレリー・ジューヴの映像作品に関する調査を行い、作家および映像作品配給会社Light Coneに連絡を取った。8月には、Aesthetics(国際版 『美学』)第22号に拙稿“Transformation et significations de la notion de lyrisme : A propos des theories de l’art dans les annees 1910-20”が掲載された。次年度に現地で調査を行うための準備として、FRAC(Fonds Regionaux d'Art Contemporain)Reunionの活動について資料収集を行い、1月には、現代美術のギャラリーGalerie Dohyang Leeに所属する作家について調査を行った。3月には、「分身の会」において、フランスにおけるポストコロニアル概念をめぐる議論について報告を行った。研究代表者がこれまでに行ってきたシュルレアリスム研究の一環として、現在、イギリスの美術批評家ハーバート・リードがフランスのシュルレアリスムの影響を受けて主導し、ヘンリー・ムーアらが参加したイギリスの近代美術・建築運動「ユニット・ワン」および日本の近現代美術におけるシュルレアリスムの動向に関しても文献資料の収集と調査を進めており、現在、書評の執筆と翻訳を進めている。本研究の特色はフランスの近現代美術がヨーロッパ中心主義への批判に対してどのように向き合ってきたのかを問う点にあり、フランスおよび仏海外県・海外領土の美術館、FRAC、アートセンター、ギャラリー等における展示や収蔵作品の傾向、施設の整備状況や運営体制を調査する準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の業務により、予定している計画より遅れているため、次年度を含めた期間で研究を遂行予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き美術館、ギャラリー、作家にコンタクトを取り、調査を行うとともに、文献の翻訳を進める。
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Causes of Carryover |
初年度に計画していた海外調査の予定を変更し、次年度に実施することにしたため。
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