2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K12250
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
大橋 美織 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 研究員 (10584477)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 岡田半江 / 淵上旭江 / 文人画 / 風景表現 / 真景図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度までに収集した所蔵者情報をもとに、岡田半江の作品調査を行うことを中心に活動する予定であったが、コロナ感染症の流行で各地への往来及び調整が難しく、予定していた調査は来年度へと延期することとなった。そのため、実作品の調査ではなく、江戸時代における風景表現についての基礎的な資料収集(売立目録の掲載記録の収集等)及び調査済み作品の情報整理(撮影写真の整理、箱書等に記載された文字の翻刻等)を可能な限り行った。 岡田半江の実作品調査を延期した分、幅広く江戸時代における風景表現を考えるべく、特別展「きもの KIMONO」(会期:2020年6月30日~8月23日)の開催に伴い、肉筆・浮世絵版画といった絵画作品の風景画の流行と呼応するように、小袖における風景表現も多様化していくさまを考察。広く江戸時代における風景表現の様相を探った。 また、目に見えるわかりやすい形で、文人画について、また江戸時代後期の文人ネットワークの中で生まれた風景表現について広く公開・発信するべく、東京国立博物館におけるテーマ展示を行った。その際、コロナ感染症の流行により来館できない方々にもより広く発信する方法として、オンラインでのギャラリートークを公開した(2月を予定していた配信は、事情により2021年4月6日からとなった)。 ※本館7室・8室 テーマ展示「日本の文人画~中国へのあこがれ~」(会期:2021年1月26日~年3月7日)にて、中国絵画から大きな影響を受けて作品を制作した文人画家たちの作品を展示。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では岡田半江の悉皆調査が重要な位置を占めるが、コロナ感染症の流行により、今年度実施予定だった作品調査は来年度に延期することとなった。前年度に調査を行った作品の整理考察を進めることができたこと、また当初の予定通り、風景表現がみられる作品を含めた文人画の展示とギャラリートーク(コロナ禍のためオンラインで配信)による公開は達成することができた。(2月を予定していた配信は、事情により2021年4月6日からとなった)
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、コロナ感染症の流行により、本研究の重要な核の一つである岡田半江の悉皆調査を延期せざるを得なかった。昨年度の段階において、すでに想定以上に現存作例が多いと判明していたため、まずは作品調査を悉皆的に行うことが先決であると考えていた。しかし、コロナ感染症に関しては事前に想定することのできなかった事態であり、また今後の見通しも立たない状況でもある。そのため、来年度は研究計画の改良も考慮に入れつつ、状況を注視しながら、臨機応変に対応していくこととしたい。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の流行により、予定していた岡田半江の作品調査が延期となったため。 今年度も、引き続き他府県への往来が厳しい状況にあるが、状況を注視しつつ、先方との連絡を密にとって調整を行いたい。
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Remarks |
東京国立博物館 本館8室 テーマ展示「日本の文人画~中国へのあこがれ~」 中国絵画から大きな影響を受けて作品を制作した文人画家たちの作品を展示。 コロナ感染症の流行により来館できない方々にもより広く発信するためのオンラインギャラリートーク。
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