2018 Fiscal Year Research-status Report
自治体文化芸術政策の地方創生総合戦略への位置付けをめぐる政策形成過程に関する研究
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18K12264
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
竹内 潔 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (10805534)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 文化政策 / 地方創生 / 政策過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、全国各地で一斉に策定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(地方創生総合戦略)に盛り込まれた文化芸術関連事業に注目し、それら事業が地方創生にどのように寄与することが期待されているかを確認するとともに、地域の文化芸術の振興という自治体文化芸術政策の目的に適ったものとなっているかを検証するものである。 今年度は、いくつかの自治体の事例について予備的な調査を行い、鳥取県鳥取市の事例について日本地域政策学会都市分科会で、兵庫県豊岡市の事例について国際学会(ENCATC Annual Conference)でそれぞれ口頭発表を行った。鳥取市の事例では、今年度から小中一貫の義務教育学校となった鳥取市立鹿野学園における、演劇による表現ワークショップを取り入れた独自の科目「表鷲科(あらわしか)」を取り上げ、文化政策として地域で活動する劇団・劇場を支援することと教育政策との連携することで地方創生に資する可能性に触れた。豊岡市の事例では、「小さな世界都市-Local and Global City-」を基本方針として掲げる同市において、従来の「コウノトリも住めるまち」の取り組みを基盤とした「アーティストも住めるまち」に向けての取り組みに触れ、生物多様性や文化多様性といった普遍的な価値を通じて地方の都市が直接世界とつながって持続的な発展を目指す試みを紹介した。 また、独立基盤形成支援の対象となったことから、年度後半に全国の自治体の地方創生総合戦略を悉皆的に収集することとし、必要な備品(ソフトウェアを含む)を整備し、インターネット上に公表されている地方総合戦略のデータを収集した。さらに、本研究の過程で得られた知見を一部執筆を担当した書籍の執筆の際に反映させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独立基盤形成支援の対象となったことから、研究室内に本研究に有用な備品(ソフトウェアを含む)をまとめて整備することができ、さらに、当初標本的に収集する予定だった資料・データ(各自治体の地方創生に関する総合戦略など)を悉皆的に収集することができた。一方、収集したデータが当初予定以上に多量となったことから、これらの整理・分析に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度整備したテキストマイニングソフト等を駆使し、収集した資料・データの整理・分析を開始する。また、山陰地方の自治体を対象に文化政策と地方創生との関連についての事例調査を継続し、データ分析の視点に反映させるとともに、地方創生の戦略への文化政策の位置づけ方の全国的な傾向や類型を把握し、代表的な事例についての調査を開始する。研究の経過は、国内外の文化政策及び地域政策に関連する学会で随時発表を行ってコメントを受け、研究の進展に資する。
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Causes of Carryover |
独立基盤形成支援の対象となったことから、当初は標本的に収集する予定だった資料・データ(各自治体の地方創生に関する総合戦略など)を悉皆的に収集したが、収集した多量のデータの整理分析が年度内に終了できなかった。次年度、アルバイトも雇用するなどしてこれらのデータの整理分析を行い、その作業に必要な物品の追加購入をするために使用する。
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Research Products
(3 results)