2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K12268
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
荒木 慎也 成城大学, 法学部, 非常勤講師 (60816370)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 芸術祭 / 美術教育 / 美術予備校 / 美術大学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、複数の調査地でフィールドワーク・インタビューを実施し、基礎資料の収集に努めた。主要な調査は以下の通りである。 2018年8月には、越後妻有アートトリエンナーレ・大地の芸術祭に2週間ボランティアとして参加し、日本で開催される芸術祭の国際化の実態と、それが教育に与えうる効果を調査した。2019年1月には、取手アートプロジェクトを訪問取材し、複数の企画者・初期の参加学生からプロジェクト発足当時の様相と大学教育とのつながりを聞き取り調査した。 2019年3月には、尾道市立大学を訪問し、本校准教授の小野環氏が中心となり進めているAIR Onomichiと空き家再生プロジェクトの2件について現地調査を行い、また参加学生や地域在住のアーティストへの聞き取り調査を行った。 以上3点が主要な調査である。これら以外にも、日本各地の美術大学・美術予備校を適宜訪問し、各校の指導者や関係者、卒業生等への聞き取り調査を実施した。 以上の調査は、当初の研究計画で予定されていたものであり、概ね計画通りに調査は進行している。研究結果は、2018年6月に北九州市立大学で開催された第52回アメリカ学会での発表、及び『アートコレクターズ』2018年10月号掲載の記事「大地の芸術祭を支える国際化した「こへび隊」」で公表した。 さらに、本研究課題を進める過程で、一部の美術大学におけるアカデミック・ハラスメントに関する証言や資料に行き当たった。次年度以降は、当初予定していた研究の発展課題として、ハラスメントに関する調査も積極的に進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記入していた3地点でのフィールドワーク・インタビュー調査を予定通り実施し、さらに東京・四国・九州・北陸の4地域で計10校の美術大学・美術予備校での現地調査やインタビュー調査を実施した。以上のことから、本研究課題は当初の研究計画を予定通り遂行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、2018年度の調査を継続し、また新たな調査地を加えることで研究に広がりと奥行きを与えることを目指す。 2019年8月には、瀬戸内海域で開催される瀬戸内国際芸術祭にボランティアとして参加し、芸術祭と教育の相関関係を現地調査する予定である。 また、2018年度から調査を開始した取手アートプロジェクトは、事務局と連携調査を行う協力体制が得られたため、本年度はより深い調査を実施することが可能なことが見込まれる。 研究計画書に記述のあった、近畿大学文芸学部については、2019年度より調査を開始し、現地訪問・インタビュー調査を含む複合的な研究を行う予定である。 さらに、2018年度の調査で新たな研究課題として浮上したアカデミック・ハラスメントに関する調査については、多摩美術大学准教授の笠原恵実子氏、美術家の小田原のどか氏と情報交換・協力しながら、より詳細な調査を遂行する予定である。
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Causes of Carryover |
本研究計画は複数地域でのフィールドワークを前提とした調査であり、かつ一部の調査は2週間を超える長期間のボランティア従事という特殊な性格を持つものである。一部ボランティア地域への交通費がボランティア先から支給される等、当初の見積もりよりも旅費支出が少なくなった結果、次年度使用額が発生した。これは次年度の現地調査・フィールドワークの予算に充当することで、より充実した研究を実施するために用いることにする。
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Research Products
(2 results)