2022 Fiscal Year Research-status Report
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18K12274
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上杉 健志 岡山大学, グローバル人材育成院, 准教授 (20791114)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 研究対象のシフト / ナラ枯れと里山 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の影響で食アレルギー関係の海外におけるフィールド調査ができない間、ウッドショックの影響で拡大する中国山地の林業用杉・ヒノキの伐採を目撃しました。杉・ヒノキと花粉アレルギーのつながりが顕著な日本では、アレルギーといえば食よりも季節と森林を想像する人が多いことを考えると、森林という視点からアレルギー問題を考えることもできるのではないかと考えるようになりました。 スギ・ヒノキ林の伐採が進む中、同じ中国山地では、ナラ枯れ被害が拡大しており、ナラ枯れがカシナガキクイムシという害虫の共生菌の拡大を阻止しようとするナラの樹の作用によって起きるという文献を読み、アレルギーに似ていると感じ、この二つの関心をつなげることはできないかという考えに至りました。 そこで、森林における人の営みと森林の変化と人の営みの変化による森林の変化に興味を持ち始めました。特に気候変動と人の営みの変化による樹々につくいわゆる「害虫」の生態の変化とそれに関する研究をする科学者の意識や方法論を調べる必要があると考えました。2022年度は特にカシナガキクイムシとナラ枯れ、里山の崩壊に関する文献を読み始め、少しずつですが、関連する人々にコンタクトを取り始めています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍と子供の誕生が重なりフィールド調査が難しかったため。 また、その間研究テーマが少しずつ変化したため、進捗状況が遅れています。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールドを日本に変更したため、調査を進めやすい状況にはなったと思います。既に2度研究費の受給を延長していただいていますので、今年度中には何かしらの結果を紀要などに掲載できるようにし、次の研究費申請につなげたいと考えています。 具体的には、2023年度はナラ枯れに関する文献を読み、科学者や行政の担当者をインタビューし、2024年2-3月の春休み中に論文を執筆したいと考えています。
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Causes of Carryover |
研究が遅れているため。特に海外旅費が使えていないため。
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