2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K12304
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
玉田 沙織 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 准教授 (60707389)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 日本文学 / 古典 / 受容 / 和歌注釈 / 契沖 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究は、近世初期を生きた古典学者である契沖(1640-1701)が和歌注釈に用いた術語・言い回しを分析することで、契沖の研究成果の再評価および分析論理の再確認を行うものである。契沖の使用する言葉の意味について、辞書的なものに止まらない、契沖独自の脈絡も含めた把握を目指している。 当該年度は、(1)昨年度に収集した事例を分析し、また、事例の収集対象となる作品を増やしてさらなる分析を行った。事例の出現状況は作品によっても異なるため、基準になる語を選び出す作業に、昨年度と同様に時間が掛かった。当該年度の作業を進める中で昨年度分の作品についても確認の必要性を感じる用語が出現したため、次年度以降、全体の進捗を見ながら再確認を検討する。当初予定していた対象作品は和歌ジャンルに加えて歌物語や随筆も含んでいたが思うように進められず、今後の作業について計画見直しの必要性を感じる一年であった。 当初の予定では、(2)使用作品の伝本調査も行う予定であったが、前期に例年よりも多くの研究課題を並行して進める必要が生じたため、準備も含めた進捗は思わしくなかった。さらに、予定よりも後ろ倒しで研究が進んだため、後期の調査出張の実施時期も遅れてしまい、COVID-19蔓延の影響を受けた。当該研究の作業はマイクロフィルムの複写資料を用い、行間書き込みの走り書きなども参照するため、原本調査によって不鮮明箇所を読み解く必要がある。したがって、結果的に春季休業中の進捗にも制限が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前期は他の研究課題との兼ね合いで進捗に遅れが出てしまい、後期は調査出張の予定時期にCOVID-19の影響が出てしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は昨年度実施できなかった調査出張を行う予定であるが、COVID-19の蔓延状況によっては支障が出る恐れがあるため、優先度の高いものから行う。また、当初は海外での発表を行う予定であったが、中止や延期が相次いでいるため、代替案として国内での報告を行う。今年度は最終年度であるため、データベースの完成と総括が最終目標である。
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Causes of Carryover |
当初の予定では、使用作品の伝本調査を行う予定であったが、前期に例年より多くの研究課題を並行して進める必要が生じたため、準備も含めた進捗は思わしくなかった。さらに、予定よりも後ろ倒しで研究が進んだため、後期の調査出張の実施時期も遅れてしまい、COVID-19蔓延の影響を受けた。 今年度もCOVID-19の蔓延状況によっては支障が出る恐れがあるため、調査出張は優先度の高いものから行う。
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