2021 Fiscal Year Research-status Report
20世紀中国小品文の多角的研究:紙上の声の形成・定着に見る越境性とモダニティ
Project/Area Number |
18K12311
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
鳥谷 まゆみ 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (00580507)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小品文 / 中国現代文学 / 周作人 / 教育 / メディア / 台湾話文詩 / 台湾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も予定していた海外渡航ならびに国内出張の中止が相次いだため、本研究課題の肝である現地に赴いての小品文作品の調査・収集を実施することができなかった。 昨年同様に大幅な研究計画の変更が必要であった。試みとして感染症の抑え込みに成功している台湾を対象エリアに加えた。国際シンポジウムにおいて、コメンテーターを務めるとともに、台湾話文詩(口語詩)に関する若干の報告を行った。また、同シンポジウムにおいて、言語・身体の輻輳性をテーマに国内外の研究者とディスカッションを行った。そのほか「漂泊のアイデンティティーー周作人の立教大学訪問時における新史料から」(『中国21』2019年)を中国語翻訳して公刊した。当該論文は、周作人や日本による中国統治期のを主たるテーマとしており、中国国内での公刊が難しいため、日本国内の大学紀要に掲載してもらった。現在、ホームページやresearchmapなどでも電子版が公開されており、中国からもアクセス可能である。これによって国外の研究者とのより活発な意見交換が期待される。 ■論文:「漂泊的自我認同――従周作人再訪立教大学時的新史料談起」北九州市立大学外国語学部紀要 (153) P255‐283 2021年12月 ■コメンテーター:「紙上に響く台湾語のうた」(唐顥芸氏の報告「台湾話文詩について」へのコメ ント)/ラウンドテーブル・ディスカッション 国際シンポジウム「文学文脈声の痕跡――20世紀東アジアにおける言説の輻輳性 」2022年1月23日
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度も予定していた海外渡航ならびに国内出張の中止が相次いだため、昨年同様に中国における「小品文」の収集を行うことができなかった。大幅な研究計画の変更を余儀なくされた。 試みとして感染症の抑え込みに成功している台湾の話文詩に注目して、1)国際シンポジウムにおいて、コメンテーターを務めるとともに台湾話文詩(口語詩)に関する若干の報告を行った。2)同シンポジウムにおいて、言語・身体の輻輳性をテーマに国内外の研究者とディスカッションを行った。また、3)「漂泊のアイデンティティーー周作人の立教大学訪問時における新史料から」(『中国21』2019年)を中国語翻訳して公刊した。詳細は「研究実績の概要」に記載の通りである。 新型コロナが完全に収束していない現在の世界状況に鑑みれば、本研究課題の肝である、現地に赴いての小品文作品の調査・収集を今後実施することは極めて困難だと思われる。抜本的な研究計画の見直しが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
【現在までの研究の進捗状況】にも記したとおり、新型コロナが完全に収束していない現在の世界状況に鑑みれば、本研究課題の肝である現地に赴いての小品文作品の調査・収集を今後実施することは極めて困難だと思われる。抜本的な研究計画の見直しが必要である。 その対応策として、現地での調査、作品の収集を取りやめ、中国の各大学図書館ならびに研究所が公開しているデータベースを利用しての調査、収集に切り替えて作品を収集したい。当然ながら、データベースのアクセス制限の問題が考えられるが、現地研究者の協力をあおぐなどして、可能な限り、アクセスできるように努力する。 また、対象エリアに当初想定していなかった台湾を含めて研究を遂行する。こちらも現地研究者の協力を仰ぐなどして、可能な限りアクセスできるように努めると同時に、日本国内の図書館に所蔵している小・中学校の国語教科書の調査に切り替えたい。 以上のような方法で得られたデータをもとに研究報告を行い、論文にまとめたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナ拡大の影響による渡航制限の影響を受け、本研究課題で予定していた海外調査の中止を余儀なくされ、二度にわたって延長手続きを行ったため、結果的に使用金額に大幅な差異が生じた。この差額を次年度使用額に計上する。 その主たる用途として、研究発表にかかる国内出張を想定している。また、オンラインによる国際シンポジウムの開催や参加を模索したい。
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Research Products
(3 results)