2022 Fiscal Year Research-status Report
20世紀中国小品文の多角的研究:紙上の声の形成・定着に見る越境性とモダニティ
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18K12311
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
鳥谷 まゆみ 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (00580507)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小品文 / 周作人 / 夏べん尊 / 中国現代文学 / 国語教育 / 出版メディア / 投稿雑誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も予定していた海外渡航ならびに国内出張の中止が相次いだため、本研究課題の肝である現地に赴いての小品文作品、ならびに「小品文」掲載雑誌の調査・収集を実施することができなかった。 昨年同様に大幅な研究計画の変更が必要であった。昨年度からの試みとして感染症の抑え込みに成功している台湾を対象エリアに加えての調査を試みたものの、コロナの影響による渡航制限があり、実際に渡航することはできなかった。かろうじて、現代中国において小品文作家として知られている周作人について、若手研究者の汪氏が発表した論文(「憶菲「”小さな野蛮”の文学──周作人の児童観形成における「反復説」の意義について」」)に対して合評を行った。 ■合評:汪氏「”小さな野蛮”の文学──周作人の児童観形成における「反復説」の意義について」 その他は、従来収集した中国浙江省上虞にある春暉中学で1920年代に学生が書いた小品文作品について、翻訳を施し、若干の分析を行った。 次年度もこれまでのように調査に制約がある場合、小品文作品ならびに関連雑誌の調査・収集といった調査方法を断念せねばならないと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度も予定していた海外渡航ならびに国内出張の中止が相次いだため、昨年同様に中国における「小品文」の収集を行うことができなかった。大幅な研究計画の変更を余儀なくされた。 2022年度は、かろうじて現代中国において小品文作家として知られている周作人について、若手研究者の汪氏が発表した論文(「憶菲「”小さな野蛮”の文学──周作人の児童観形成における「反復説」の意義について」」)に対して合評を行った。■合評:汪憶菲「”小さな野蛮”の文学──周作人の児童観形成における「反復説」の意義について」 そのほか、試みとして感染症の抑え込みに成功している台湾に視点を移すことにした。残念ながら、台湾への渡航は実現しなかったが閲覧可能なデータベースおよび勤務校図書館所蔵の国語教科書の初歩的な調査を行うことが出来た。しかしながら、目下、一覧を作成しうるほどの数量を収集できていないため、引き続き調査方法について模索する。 新型コロナが完全に収束していない現在の世界状況に鑑みれば、本研究課題の肝である、現地に赴いての小品文作品の調査・収集を今後実施することは極めて困難だと思われる。抜本的な研究計画の見直しが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
【現在までの研究の進捗状況】にも記したとおり、新型コロナが完全に収束していない現在の世界状況に鑑みれば、本研究課題の肝である現地に赴いての小品文作品の調査・収集を今後実施することは極めて困難だと思われる。抜本的な研究計画の見直しが必要である。 その対応策として、現地での調査、作品の収集を取りやめ、中国の各大学図書館ならびに研究所が公開しているデータベースを利用しての調査、収集に切り替えて小品文作品および文芸誌の「小品文」コラムを収集したい。当然ながら、データベースのアクセス制限の問題が考えられるが、同窓生や研究仲間である現地研究者の協力をあおぐなどして、可能な限り、アクセスできるように努める。 また、対象エリアに当初想定していなかった台湾を含めて研究を遂行する。こちらも現地研究者の協力を仰ぐなどして、可能な限りアクセスできるように努めると同時に、日本国内の図書館に所蔵している小・中学校の国語教科書の調査に切り替えたい。 以上のような方法で得られたデータをもとに研究報告を行い、論文にまとめたいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額の大半が旅費である。次年度使用額が生じた主たる要因は、コロナの影響たのめ、中国への渡航が中止したことによるものである。国内旅費についても同様に、コロナの影響のためほとんど居住先から他県に移動することが出来なかった。 本研究課題は、延長手続きを申請の上、次年度も継続して実施することが決定していることから、次年度使用額は2023年度に使用する計画である。
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