2019 Fiscal Year Research-status Report
Narrating Democracy -- African American Literature as a Field of Practice
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18K12336
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Research Institution | Nagoya College |
Principal Investigator |
平沼 公子 名古屋短期大学, 英語コミュニケーション学科, 准教授 (90736612)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アフリカ系アメリカ文学 / 人種理論 / アメリカ文学 / 黒人文学 / 公民権運動 / ラディカリズム / 英米文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画に必要な修正を加えつつ、以下の通り進めた。 1. 日本アメリカ文学会中部支部第36回大会(2019年4月、於:南山大学)にて、シンポジウム 「ハーレム・ルネサンスとは何か」に講師として登壇。「“New Negro”から“Harlem Renaissance”へ -- Arna Bontempsの_Black Thunder_から読み直すアフリカ系アメリカ文学史」と題して研究発表を行った。 2. 日本アメリカ文学会第58回全国大会(2019年10月、於:東北学院大学)にて、シンポジアム「刻まれた断絶、忘れられた連続:プロレタリア期から冷戦を見直す」に登壇し、「Ralph Ellisonの_Invisible Man_を通して考えるアフリカ系アメリ文学と失われた1930年代」と題し研究発表を行った。 3. 共著『文学に飽きた者は人生に飽きた者である』(音羽書房鶴見書店)へ論文「祈りの場としての文学 -- チャールズ・ジョンソンの『ドリーマー』と公民権運動を「物語る」こと」を寄稿した。
上記1. 2. の研究発表は、当該年度の研究計画の一部として、冷戦期以前のアフリカ系アメリカ文学・批評におけるラディカルな思想をどう評価するべきか考察する視点から行われた。また、これらの研究発表における調査を土台に、3.の論文ではアフリカ系アメリカ文学における公民権運動期前後の文脈を分析した。さらに、これらの研究成果を元に、アフリカ系アメリカ文学批評において公民権運動期の思想がどのような土台に成り立ち、またその後それが包摂/排除されたかを特に精査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1. 前年度からの課題である「先行研究の精査およびスミソニアン黒人史博物館におけるアーカイブ調査」は実施不可能であった。
2. 1.と関連し、海外での研究発表も予定していたが、実施不可能となった。
1. 2.の事由として、研究代表者の産前・産後休業および育児休業の取得、またコロナウイルスの感染拡大による海外渡航が実施不可能となった事態が挙げられる。海外における調査・研究発表が一時的に不可能となった当該年度は国内にてアクセス可能な資料および史料を元に調査をすすめ、研究発表と論文執筆を行った。その点においては、本研究は概ね順調に進んでいると言えるのだが、前年度に続き再び1.2.の活動に用いるはずであった次年度繰越し金が生じた点を鑑み、やや遅れていると判断をする。しかしながら、海外渡航の制限がある中で、オンラインデータベースの開放も進みつつあり、また当該年度には国内での研究発表でも研究土台を築いているため、次年度以降の研究において、この遅れは十分取り返せるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
代表研究者の産前・産後休暇および育児休暇にともなう研究中断期間は2019年11月19日~2020年12月29日であるため、その後の研究再開予定である2020年12月30日から以下の通り推進していく予定である。
1. 2018年度および2019年度に遂行できなかったスミソニアン黒人史博物館、米国議会図書館およびシカゴ歴史博物館でのアーカイブ調査を行い、これまでの研究成果に照らし合わせ、1950年代後半から1960年代にお ける公民権運動期の思想を精査する。
2. 1. の上で、2019年度の計画を繰越する形で、アメリカ文学史においてある意味空白時代となっている1970年代に、のちにアフリカ系アメリカ人文学作家として活躍していく人々がどのような教育を受け、どのような思想の変遷を辿ったのかを、米国議会図書館およびシカゴ歴史博物館でのアーカイブ調 査にて明らかにする。また、当該年度の後半では、国際学会での成果発表および論文出版を計画しているほか、本研究を研究書としてまとめるために、出版社(若手研究者や萌芽的研究に対して好意的な出版社であるPalgrave McMillan、Routledge、Fordhomを検討中)への出版計画を送ることを念頭に置いている。
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Causes of Carryover |
研究代表者の産前・産後休業および育児休業、またコロナウイルス感染拡大による海外渡航のの中止があったため、次年度繰越金が生じた。当該年度に予定していた海外での調査・研究発表を後ろ倒しに計画しているが、今後の情勢により海外渡航が不可能な状況が続く場合は、オンラインデーターベースの購入などに使用する予定である。
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Research Products
(3 results)