2019 Fiscal Year Research-status Report
在外朝鮮民族の言語使用と意識 -集居地域の比較から-
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18K12376
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高木 丈也 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 講師 (80759605)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高麗人 / 朝鮮語 / 朝鮮民族 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度も2018年度に引き続き、世界に散在する朝鮮民族の言語使用と意識について解明すべく、文献収集や先行研究の批判的検討を続けながら、2018年度に実施した調査の分析、さらには新たな調査を遂行した。また、これらの成果を積極的に発信すべく、学会発表(3回)、単著の刊行(1回)、論文発表(2回)を行った。具体的な研究成果は以下のとおりである。 1.中国調査:2018年5月に黒竜江省 哈爾浜市、2018年6、7月に吉林省延吉市で朝鮮族を対象に実施した調査結果を整理、分析し、2019年7月に中国韓国(朝鮮)語教育研究学会 国際学術大会2019 中国韓国語教育発展フォーラム(大連民族大学)で口頭発表をした。また、従前の研究成果も含め、2019年11月には『中国朝鮮族の言語使用と意識』(くろしお出版)と題する単著の書籍を刊行したほか、2020年3月には単著の論文を発表した。 2.アメリカ調査:2019年3月にアメリカ合衆国 ロサンゼルス市、ニューヨーク市で在米コリアンを対象に実施した調査結果の内容の整理、分析を行った。当論考は論文としての執筆がすでに終わっており、現在投稿に向け、最終準備中である。 3.旧ソ連圏調査:2019年9月にはカザフスタン、ウズベキスタンで、2019年10月にはロシアで高麗人を対象にした調査を実施した。ウズベキスタンにおける調査結果はすでに順調に分析が進んでいるが、カザフスタン、ロシアにおける調査結果は、追調査を行いながら、2020年度にさらに継続して行う計画である。 4.日本調査:2020年度には、在日コリアンを対象にした調査を実施予定であるため、2020年3月には在日コリアン関連団体において言語使用、意識に関する予備調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね、当初の調査計画通りに遂行しているが、新型肺炎の拡散にともない、2020年3月に予定していた中央アジアでの追調査は実施ができなかった。状況が改善次第、調査計画を立て直し、調査、分析を行うつもりである。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、2020年度に実施ができなかった中央アジアでの高麗人を対象にした追調査と、日本での在日コリアンを対象にした調査を実施予定である。また、2020年度は本研究の最終年度にあたるため、これまでの研究成果を総合的にまとめ、在外朝鮮民族の多様性、普遍性を高次から論じる作業にも着手したい。
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Causes of Carryover |
3月にCIS国家群(カザフスタン、ウクライナ)における高麗人のコミュニティ、言語意識調査を行う予定であったため、前倒し支払いを行ったが、新型肺炎拡大に伴い実施ができなくなったため、これを2020年度に引き継ぐことにした。
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Research Products
(6 results)