2021 Fiscal Year Research-status Report
在外朝鮮民族の言語使用と意識 -集居地域の比較から-
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18K12376
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高木 丈也 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 講師 (80759605)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 朝鮮民族 / 言語使用 / 言語意識 / アイデンティティ / 朝鮮族 / 高麗人 / 在米コリアン / 在日コリアン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、在外コリアンの言語使用や意識、民族アイデンティティをミクロな視点、マクロな視点から記述しようとするものである。本来は各地のコミュニティーや朝鮮語話者を対象に現地調査を実施し、分析を行う予定であったが、2021年度も2020年度に引き続き、新型コロナウィルスの影響を大きく受け、海外での実地調査は遂行できなかった。その一方で日本国内にいながら、下記のような研究を遂行することができた。 1.オンラインによりアメリカ、カザフスタン、ウズベキスタン、ロシア、中国などの朝鮮民族を対象にしたフォローアップ調査(言語使用、意識に関する調査)を実施した。ここでは、新型コロナウィルスが民族性、コミュニティーに及ぼした影響に関しても一部、聞き取りを行うことができた。 2.2019年度にカザフスタン、ウズベキスタン、ロシアで高麗人を対象に実施したインタビュー調査の内容を一部、整理、分析し、学術誌に投稿を行った(現在、査読結果待ち)。 3.日本国内で在日コリアンを対象にアンケート調査、インタビュー調査を行い、その分析を進めた。この分析結果は、2022年8月に国際高麗学会で口頭発表をすることが決定している。 4.まだ十分なサンプル数が確保できていない地域(ウズベキスタン、ウクライナなど)があるものの、これまで世界各地の朝鮮民族を対象に実施してきたアンケート調査、インタビュー調査の結果を体系的に整理し、地域間比較(総合的分析)を進めている。この分析は、調査と並行して、2022年度も引き続き行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスによる世界的拡散を受け、当初、調査を予定していたウズベキスタン、ウクライナなどでの調査が実施できずにいる。これにより、世界に居住する在外朝鮮民族を俯瞰的にとらえ、その特性を記述するという作業に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も新型コロナウィルスの影響は依然として続くと予想される。そこで、目下、渡航ができていない地域(主にウズベキスタン、ウクライナ)での調査は断念し、韓国内に居住する高麗人を対象にした調査を早期に実施する(新型コロナウィルスの感染状況や移動制限などにより、対面、あるいはオンラインのいずれかで実施する)。ここで得られたデータをもとに、在外朝鮮民族の普遍性や特殊性に関する考察を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、海外における調査が遅延しているため。
2022年度は、8月に大阪で開催される第15回 コリア学 国際学術討論会(国際高麗学会)での口頭発表が決定しているほか、オンラインでの調査、可能な範囲での国内、海外調査(文献収集を含む)を行う予定である。そのため、それにかかる出張費、謝金の支出が必要になる。また、研究の整理をする過程で随時、文献の参照が必要になるため、図書代の支出も考えている。
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Research Products
(2 results)