2022 Fiscal Year Research-status Report
Gradability in Idephones and Grammatical Integration
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18K12385
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
川原 功司 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (70582542)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イデオフォン / オノマトペ / 慣習的推移 / マルチモダリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
オノマトペは英語では"ideophones”, “mimetics” とも呼ばれ,擬音語・擬声語・擬態語を代表とする音象徴の機能を持つ語彙素である。日本語は豊かなオノマトペ体系を持っていることが知られており,音韻論的には和語,漢語,洋語と並んで一つの独立した語彙層を形成するという考え方もある。また,20 種類以上の辞書も編纂されている。しかし,ソシュールによる言語記号の恣意性の原則と,インド・ヨーロッパ語族においてまれな現象のためか,現代言語学においては核となる現象として捉えられる機会がほとんどなかった。しかし,言語類型論の発達により,オノマトペは,アジア,アフリ カ,北米先住民の言語でかなり広範囲に観察されるということが分かってきた。また,近年の日本では,特に機能的と言われる理論言語学(認知意味論,機能文法など)の観点からオノマトペを分析す る試みも増えてきた。さらに欧米においても,ニジェール = コンゴ語族の言語であるシウ語のオノマトペを包括的に研究したDingemanse (2011)が出て以来,理論言語学における意義について考え始める研究者が出現するようになってきた。しかしながら,言語への形式的アプローチ,特に統語論や形式意味論・形式語用論といった観点からオノマトペを研究してきたものはあまりなかった。この背景の元,オノマトペに伴うジェスチャーなどを分析したところ,これらには慣習的推移としての役割があるということがわかり,それを明示的な形で記述することがかのうになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により,当初企画していた実験や海外での研究などができなかった。しかし,延長年度の2023年にかけてある程度の遅れは取り戻せると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
音象徴効果は,イデオフォンの他にも文末助詞などにも見られ,こういった語彙には感情的な意味が含まれるだけではなく,統辞的にも特殊な振る舞いをするようである。最終年度においては,この種の特殊性を論文にまとめ,今後の研究に繋げていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため,海外での研究発表が出来なかった分を2023年度に回すため。
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Research Products
(4 results)