2023 Fiscal Year Annual Research Report
Gradability in Idephones and Grammatical Integration
Project/Area Number |
18K12385
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
川原 功司 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (70582542)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イデオフォン / 階層性 / 談話効果 / 回帰的併合 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる2023年度は,これまでの研究の総括と今後はどのように研究していくのかが主眼であった.本研究計画では,イデオフォンなどに代表される感覚的イメージを鮮やかに浮かび上がらせる効果のある語彙が統辞的,意味的な観点から考えて,他の主要な語彙である動詞や名詞といった語彙とどのように異なり,その差異にどのような意義があるのかについて考える必要があった.統辞的な概念に関しては,イデオフォンや終助詞といった語彙には,独自の活用などが存在せず,その語彙を客体化することによって言語表現の中で使用することができること,そして専門的な観点からいえば,自由に併合の対象とはならないという言葉に集約することができる.併合の対象にならないということは,他の語彙と併合した際にラベルが決まらないということであり,再帰的な併合が可能にならないということでもある.かつての枠組みでいえばedge-featureがないという言い方ができるが,現在の観点ではanti-labellingという現象に落とし込むことが可能なのではないかという議論を進め,これはTEAL13で発表してきた.また,イデオフォンと類似の語彙として終助詞の「ね」に注目することで,この種の語彙が談話効果を引き起こす役割があること,また,自閉スペクトラム症児では定型発達児と比べて有意に使用頻度が少ないという事実を指摘した.この研究はCLS59で成果を発表してきた.
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